「公人」とプライバシー
カンボジア首相を「偽名」入院させた順天堂

浅野健一


 順天堂大学医学部附属順天堂医院は、政権与党の一部と密接なつながりのある病院なのだろうか。小渕恵三前首相は四月二日に脳梗塞で倒れたが、なぜ入院先が順天堂医院になったのか。順天堂医院は小渕氏の病状について一度も記者発表をしない。不思議なことだ。
 青木官房長官は、「私は医師ではないから分からない」と繰り返しているのだから、病院側から聞くしかない。内閣記者会は順天堂医院事務局長に対し、口頭で主治医の会見を申し入れ順天堂側は刑法を持ち出して、医師と弁護士の守秘義務違反になるからできないと拒否しているという。記者会は青木官房長官に対して会見の度に、医師の会見を実現するよう要請しているが、日本新聞協会など報道界全体で、順天堂医院に会見を求めるべきではないか。
 NHKが四月三日から小渕氏の入院先を「都内の病院」としか言わないのは漫画。青木官房長官が記者会見で、順天堂医院と何度も公言していて、それが中継で放送されているのにである。NHK政治部デスクに電話で聞いたところ、「最初は順天堂大学医学部附属順天堂医院と伝えたが、病院名が長いので、都内の病院にした。順天堂が一切病状について言わないのはおかしいと私も思う」と述べた。「順天堂医院」と略して言えば、そう長くないと思うがどうか。
 
 NHKは九九年二月に高知赤十字病院で行われた脳死臓器移植第一例目では、病院名からドナー家族の住む自治体名まで明らかにした。二百人を超す「移植記者会」は、脳死判定にも入っていない段階から、「主治医、院長の会見」を要請し、リアルタイムの情報開示を叫んだ。ところが、マスメディアは、公人中の公人の首相の病気についての情報閉鎖をなぜ厳しく批判しないのか。ダブルスタンダードだ。旧ソ連以下の情報非公開である。
 政界関係者によると順天堂医院は、「自民党管轄下にあると言ってもよく、情報が漏れない病院」として有名だという。
 順天堂医院に関して私がこだわってきた「事件」がある。外務省が九一年に、当時国交のなかったカンボジア(ヘン・サムリン政権)のフンセン首相夫妻を秘かに日本に招いて、順天堂大学医学部附属順天堂医院に「山内」という偽名で、入院させ治療を受けさせたことがある。(以下は、「週刊金曜日」00年4月28日号の「人権とメディア」に「外国の首相が偽名入院 権力と癒着 順天堂」と題して書いた。)
 一月一八日の朝日新聞は「担当外交官が回顧録を出版」という見出しで、カンボジア和平実現に外務省の一課長としてかかわった河野雅治氏(現アジア局審議官)が舞台裏の真相を描いた『和平工作 対カンボジア外交の証言』(岩波書店)を出版した伝えた。
 さっそく本を読んだ。驚いたことに、第一五章に「医療外交」として、河野氏ら外務省官僚が違法なことをしたと堂々と自白している。違法なことをしたという自覚が全くなく、手柄話として書いている。
 [《日本政府が承認していないヘン・サムリン政権の「首相」》の「病気治療という人道目的の訪日」
を実現するため、報道陣に知られることのないように、「対外的に不公表とし、いわば極秘裏に進める」
ことになったという。九一年四月、順天堂病院に入院する際、《このオペレーションが外部に漏れないよ
うにするため、念には念を入れ、フンセンは「山内一郎」の偽名を使って入院した。この事実は、当時医
院関係者の間でもごく一部にしか知らされていなかった》というのだ。「外務省は、フンセンの左目義眼
をプラスティック製の軽くて新しいものに作り替えてあげた」。またフンセン首相は3泊4日の日程で入
院したのだが、小和田恒外務審議官(皇太子妃の父)も全く同じ期間、偶然にもすぐ上の部屋に入院し、
二人が退院した夜、フンセン首相を囲む夕食会が開かれ、カンボジア和平の進め方について、非公式に話
し合ったと書かれている。](浅野要約)
 私は八九年から九二年まで共同通信ジャカルタ支局長だった。当時インドネシアがフランスと共に、カンボジア和平のための非公式協議の共同議長国を務めていたこともあり、カンボジア和平交渉を詳しく取材した。九二年五月にはカンボジア現地にも入った。その時にプノンペンを訪問した社会党議員団の一人、喜岡淳元参議院議員(現在は香川人権研究所事務局長)らから、フンセン夫妻の偽名入院の事実を知った。
 山内というのは当時の院長の名前である。
 喜岡氏は「税金を使って、秘かに招待し、偽名で病院で治療を受けさせるというのは違法だ。当時、このことを知った我々は、外務省当局者に事情を聞き、国会の外務委員会などで質そうと準備をした。国弘正雄議員とはよく相談した。ところが社会党幹部は、病気治療というプライベートなことだから、追及するのはどうかとストップがかかった。今からでもきちんとすべきだと思う」と話している。
 私はインドネシア関係の著作の中で、自民党渡辺美智雄派と外務省タカ派が、カンボジア問題を悪用して、戦後の日本を大きく変えた初の自衛隊海外派兵と利権を目指して暗躍したことを書いている。その中で、フンセン首相偽名入院をにも触れた。ところが、この外務省による偽名入院をマスメディアは全く問題にしない。
 この本の後書きによると、河野氏に本を書くよう強く勧めたのは、岩波書店の馬場公彦氏だという。日本は当時、ポル・ポト派が中心になってつくっていた三派連合政府を支持して、ヘン・サムリン政権に敵対していた。日本政府がカンボジア和平で動いたのは、米国などの路線変更に追随しただけだ。フンセン氏と親しくなるために、税金を使って来日させ、偽名を使って入院させるというようなことを公務員がしていいのだろうか。こんな本を出した岩波の責任も大きい。また一つ岩波の「変節」である。日本外務省がカンボジア和平にこんなに貢献したという本を岩波が出して、朝日が大きく記事で全く無批判に宣伝する。迷走するニッポン・ジャーナリズムである。
 私は二月二三日に岩波書店の大塚信一社長、本の編集担当者・馬場公彦氏、著者・河野雅治氏に質問書を送った。質問書は以下の通り。岩波書店の馬場氏は三月二七日、私の電話での「回答がないが」という問い合わせに、「『回答しない』というのが回答だ」とだけ述べた。「それが岩波書店としての回答か」と尋ねると、「そうだ」と返答した。河野氏からは何の回答もない。


2000年2月23日

同志社大学文学部社会学科新聞学専攻教授
277ー0827 柏市松葉町7ー13ー6
浅野健一
電話0471ー34ー5777
ファクス0471-34-8555
大学連絡先 ・602ー8580
上京区今出川通烏丸 同志社大学文学部社会学科
電話075ー251ー3441
ファクス 251ー3066
                      

岩波書店
河野雅治氏著『和平工作 対カンボジア外交の証言』発行者
大塚信一様
担当者
馬場公彦様
著者
河野雅治様
ファクス03ー5210ー4037、4012
                    
 突然にファクスをお送りすることをお許しください。
 私は同志社大学文学部社会学科で新聞学(ジャーナリズム論、マス・コミュニケーション論)を教えて
おります。1972年から22年間、共同通信記者を務め、社会部、外信部、ジャカルタ支局に勤務しま
した。94年4月から同志社で教鞭をとっています。経歴は別紙を参照ください。

 私は貴社から1999年12月15日に発行された『和平工作 対カンボジア外交の証言』を、朝日新
聞の報道で知り、読みました。 
 私は自分の著作の中で、自民党渡辺美智雄派と外務省タカ派が、カンボジア問題を悪用して、自衛隊海
外派兵と利権を目指して暗躍したことを書いてきました。特に、外務省が当時、承認していなかったヘン・
サムリン政権おのフンセン首相と妻を秘かに日本に招いて、順天堂大学医学部附属医院に当時の山内院長
の偽名を使って入院させ、検査と目の治療を受けさせたことを批判してきました。
 1月18日の朝日新聞に「担当外交官が回顧録を出版」という見出しで、カンボジア和平実現に外務省
の一課長としてかかわった河野雅治氏(現アジア局審議官)が舞台裏の真相を描いた『和平工作 対カン
ボジア外交の証言』(岩波書店)を出版したという記事が載っていました。そこに私が問題にした「極秘
来日」が手柄話として載っていることが書かれていました。
 さっそく本を読みました。驚いたことに、第15章に「医療外交」として、河野氏ら外務省官僚が違法
なことをしたと堂々と「自白」しているのです。自分が違法なことをしたという自覚が全くないようです。
 問題の個所は次のように書かれています。

 [《日本政府が承認していないヘン・サムリン政権の「首相」》の「病気治療という人道目的の訪日」
を実現するため、報道陣に知られることのないように、「対外的に不公表とし、いわば極秘裏に進める」
ことになったという。順天堂病院に入院する際、《このオペレーションが外部に漏れないようにするため、
念には念を入れ、フンセンは「山内一郎」の偽名を使って入院した。この事実は、当時医院関係者の間で
もごく一部にしか知らされていなかった》というのだ。「外務省は、フンセンの左目義眼をプラスティッ
ク製の軽くて新しいものに作り替えてあげた」。またフンセン首相は3泊4日の日程で入院したのだが、
小和田恒外務審議官(皇太子妃の父)も全く同じ期間、偶然にもすぐ上の部屋に入院し、二人が退院した
夜、フンセン首相を囲む夕食会が開かれ、カンボジア和平の進め方について、非公式に話し合ったと書か
れている。](浅野要約)

 1992年5月カンボジアで私が取材中に訪問した社会党議員団の一人、喜岡淳元参議院議員(現在は
香川人権研究所事務局長)は先日電話で、「税金を使って、秘かに招待し、偽名で病院で治療を受けさせ
るというのは明らかな医事法違反だ。当時、こもことを知った我々は、外務省当局者に事情を聞き、国会
の外務委員会などで質そうと準備をした。国弘正雄議員とはよく相談した。ところが社会党幹部は、病気
治療というプライベートなことだから、追及するのはどうかとストップがかかった。今からでもきちんと
すべきだと思う」と話しています。
 この本の後書きによると、河野氏に本を書くよう強く勧めたのは岩波書店の馬場公彦氏だということで
す。日本は当時、ポル・ポト派が中心になってつくっていた三派連合政府を支持して、ヘン・サムリン政
権に敵対していました。カンボジア和平で動いたのは、米国などの路線変更に追随しただけです。フンセ
ン氏と親しくなるために、税金を使って来日させ、偽名を使って入院するというようなことを公務員がし
ていいのでしょうか。こんなないようの本を無批判に出した岩波書店の責任も大きいのではないでしょう
か。日本外務省がカンボジア和平にこんなに貢献したという「島国根性」丸出しの権力PR本を岩波書店
が出して、朝日が大きく記事で全く無批判に宣伝する。迷走するニッポン・ジャーナリズムを象徴してい
ると私は思います。

 貴社は、フンセン首相が、偽名で日本の大学病院に入院して治療を受けたことを、違法だとは考えませ
んか。お答え下さい。もし違法と考えるなら、この本のような記述は、法治国家の出版事業として問題は
ないでしょうか。
 できましたら、3月3日までにご回答下さい。

                 浅野健一



 2000年3月27日現在のプロフィール
浅野健一(あさの・けんいち)
1948年7月27日、高松市生まれ。66ー67年AFS国際奨学生として米ミズーリ州スプリングフィー
ルド市立高校へ留学。72年、慶応義塾大学経済学部卒業、共同通信社入社。編集局社会部、千葉支局、
ラジオ・テレビ局企画部、編集局外信部を経て、89年2月から92年7月までジャカルタ支局長。帰国
後、外信部デスク。77ー78年、共同通信労組関東支部委員長。94年3月末、共同通信退社。
93ー95年慶応義塾大学新聞研究所非常勤講師。
94年4月から同志社大学文学部社会学科教授(新聞学専攻)、同大学大学院文学研究科新聞学専攻博士
課程教授。
96年12月から97年12月まで、同志社大学教職員組合委員長。
99年3月から10月まで、厚生省公衆衛生審議会疾病部会臓器移植専門委員会委員。
共同通信社社友会準会員。人権と報道・連絡会(連絡先:〒168-8691 東京杉並南郵便局私書箱
23号、ファクス03ー3341ー9515)世話人。日本マス・コミュニケ−ション学会会員。
著書 主著に『犯罪報道の犯罪』(学陽書房、講談社文庫)、『犯罪報道は変えられる』(日本評論社、
『新・犯罪報道の犯罪』と改題して講談社文庫に)、『犯罪報道と警察』(三一新書)、『過激派報道の
犯罪』(三一新書)、『客観報道・隠されるニュースソース』(筑摩書房、『マスコミ報道の犯罪』と改
題し講談社文庫に)、『出国命令 インドネシア取材1200日』(日本評論社、『日本大使館の犯罪』
と改題し講談社文庫)、『日本は世界の敵になる ODAの犯罪』(三一書房)、『メディア・ファシズ
ムの時代』(明石書店)、『「犯罪報道」の再犯 さらば共同通信社』(第三書館)、『オウム「破防法」
とマスメディア』(第三書館)、『犯罪報道とメディアの良心 匿名報道と揺れる実名報道』(第三書館)、
『天皇の記者たち 大新聞のアジア侵略』(スリーエーネットワーク)、『メディア・リンチ』(潮出版)
『脳死臓器移植報道の迷走』(創出版)。
 編著に『スパイ防止法がやってきた』(社会評論社)、『天皇とマスコミ報道』(三一新書)、『カン
ボジア派兵』(労働大学)、『激論・新聞に未来はあるのか ジャーナリストを志望する学生に送る』
(現代人文社ブックレット)。共編著に『無責任なマスメディア』(山口正紀氏との共編、現代人文社)。
共著に『ここにも差別が』(解放出版社)、『死刑囚からあなたへ』(インパクト出版会)、『アジアの
人びとを知る本1・環境破壊とたたかう人びと』(大月書店)、『派兵読本』(社会評論社)、『成田治
安立法・いま憲法が危ない』(社会評論社)、『メディア学の現在』(世界思想社)、『検証・オウム報
道』(現代人文社)、『匿名報道』(山口正紀氏との共著、学陽書房)、『激論 世紀末ニッポン』(鈴
木邦男氏との共著、三一新書)、『松本サリン事件報道の罪と罰』(河野義行氏との共著、第三文明社)、
『大学とアジア太平洋戦争』(白井厚氏編、日本経済評論社)、『オウム破防法事件の記録』(オウム破
防法弁護団編著、社会思想社)、『英雄から爆弾犯にされて』(三一書房)、『「ナヌムの家」を訪ねて
 日本軍慰安婦から学んだ戦争責任』(浅野健一ゼミ編、現代人文社)などがある。
『現代用語の基礎知識』(自由国民社、1998・99年版)の「ジャーナリズム」を執筆。
監修ビデオに『ドキュメント 人権と報道の旅』(製作・オーパス、発行・現代人文社)がある。
資格 1968年、運輸相より通訳案内業(英語)免許取得
 E-mail:kasano@mail.doshisha.ac.jp
VZB06310@nifty.ne.jp
    (電子メールの場合は、お手数ですが、両方に送ってください。VZBの後は数字の0です)
 浅野ゼミのホームページ 
 人権と報道・連絡会 ホームページ http://www.jca.ax.apc.org/~jimporen/welcome.html
(以上)


 また順天堂医院の斎藤純夫事務部管理課長は三月二七日に電話で、「患者のプライバシーにかかわることは一切言えない。本に書かれていることに興味はない。読むつもりもない。外務省と岩波書店に聞いてほしい。当医院は何も言うことはない」などと表明した。この課長の居直り方は尋常ではなかった。私は同日、佐藤潔院長に文書で次のように質問した。

2000年3月27日
同志社大学文学部社会学科新聞学専攻教授
277ー0827 柏市松葉町7ー13ー6

浅野健一
電話0471ー34ー5777
ファクス0471-34-8555
大学連絡先 ・602ー8580
上京区今出川通烏丸 同志社大学文学部社会学科
電話075ー251ー3457/3441

ファクス 251ー3066

順天堂大学医学部附属順天堂医院院長
佐藤潔様
ファクス 03ー5802ー1144                     

 突然にファクスをお送りすることをお許しください。
 私は同志社大学文学部社会学科で新聞学(ジャーナリズム論、マス・コミュニケーション論)を教えて
おります。詳しい経歴などは別紙を参照ください。
 本日、貴医院の斎藤純夫事務部管理課長に電話で問い合わせしたところ、文書で質問する場合は、佐藤
院へということでしたので、ファクスさせていただきます。
 岩波支店から1999年12月15日に発行された『和平工作 対カンボジア外交の証言』(河野雅治
氏著)第15章に「医療外交」の中に、次のような記述があります。
 [《日本政府が承認していないヘン・サムリン政権の「首相」》の「病気治療という人道目的の訪日」
を実現するため、報道陣に知られることのないように、「対外的に不公表とし、いわば極秘裏に進める」
ことになったという。九一年四月、順天堂病院に入院する際、《このオペレーションが外部に漏れないよ
うにするため、念には念を入れ、フンセンは「山内一郎」の偽名を使って入院した。この事実は、当時医
院関係者の間でもごく一部にしか知らされていなかった》というのだ。「外務省は、フンセンの左目義眼
をプラスティック製の軽くて新しいものに作り替えてあげた」。またフンセン首相は3泊4日の日程で入
院したのだが、小和田恒外務審議官(皇太子妃の父)も全く同じ期間、偶然にもすぐ上の部屋に入院し、
二人が退院した夜、フンセン首相を囲む夕食会が開かれ、カンボジア和平の進め方について、非公式に話
し合ったと書かれている。](浅野要約)
 ヘン・サムリン政権のフンセン首相と妻を秘かに日本に招いて、順天堂大学医学部附属順天堂医院に
「山内」という偽名で、入院させ治療を受けさせたことを明らかにしているのです。筆者はカンボジア和
平実現に外務省の一課長としてかかわった河野雅治氏(現アジア局審議官)です。
 斎藤課長は「患者のプライバシーにかかわることは一切言えない」「本に書かれていることに興味はな
い。読むつもりもない。外務省と岩波書店に聞いてほしい。当医院は何も言うことはない」などと表明さ
ました。
 私は不思議に思います。外務省の高級公務員が,日本を代表する出版社から出した本の中で、外国の政
治家を順天堂医院に偽名を使って入院させたという「事実」を明らかにしているのに、「当医院は無関係」
と言ってすませるのでしょうか。医療機関としての社会的責任があると思います。
 佐藤院長に質問いたします。
 1 『和平工作 対カンボジア外交の証言』(河野雅治氏著)第15章に「医療外交」の中で、フン・
セン首相の来日治療で貴医院に関して書かれていることは事実でしょうか。
 2 91年4月当時の院長のお名前を教えてください。
 3 貴医院では、他人の診察券で治療を受けることは可能でしょうか。もし、本人ではない診察券で治
療を受けたことが判明した場合、どのような措置をとりますか。

 以上3点につきまして、できましたら、4月3日までにご回答下さい。柏の自宅へお願いします。
 参考までに、2月に岩波書店の大塚信一社長、編集担当者・馬場公彦氏、著者・河野雅治氏に送った質
問書を入れます。岩波書店からは何の返事もありません。岩波書店の編集担当者・馬場公彦氏は、200
0年3月27日、私の電話での「回答がないですが」という問い合わせに、「『回答しない』というのが
回答です」とだけ述べています。
 大変にお忙しいところ申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
                           浅野健一 



 外務省の高級公務員が、日本を代表する出版社から出した本の中で、外国の政治家を順天堂医院に偽名を使って入院させたという「事実」を明らかにしているのに、「当医院は無関係」と言ってすませるのだろうか。医療機関としての社会的責任があると思う。
 岩波書店発行の「世界」(九九年一一月号)は原寿雄、桂敬一、前沢猛、梓澤和幸、藤森研、田島泰彦、飯田正剛各氏による「《メディアと市民・評議会》を提案する」と題する共同提言を発表した。七人の提言には、雑誌や書籍に対する苦情も受け付けるとある。日本に報道評議会が誕生したら、この件について岩波書店を訴えたいと思っている。

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