「現代」8月号にNHKやらせ裁判を中間報告
 


 私は4月27日から5月3日までインドネシアへ調査旅行しました。講談社の「現代」00年10、11月号で私が取り上げたNHKダイナマイト漁法やらせ問題で、現地の関係者に再会し、記事の正しさを再確認できました。また新証言も得ることができました。
 「現代」8月号に、やらせ問題の続報を書きましたが、裁判との関係で8月号に延ばしました。何しろ1億2000万円を講談社は請求されていますから大変ですが、闘います。
 6月2−3日は同志社大学今出川校地でで日本マス・コミュニケーション学会2001年度春季研究発表会がありました。3日午後、河野義行さんも招いてワークショップ「新聞各社の苦情対応機関とメディア責任制度」を開催しました。予定の倍に当たる41人が参加。
 新聞協会系の人たちも隣の教室で同じテーマで開催しました。新聞協会系のワークショップに参加した「オンブズマン」を自称する新聞社の「第三者機関」の担当者たちは、河野さんに挨拶もしませんでした。 司会は私で、山際永三さんが報告者で、河野義行さんが討論者を務めました。
 ワークショップでは、山際さんが、昨年10月に毎日新聞が発足させた「『開かれた新聞』委員会」をはじめとする「第三者機関」に関するアンケート結果を発表しまた。アンケート調査票は52社に送付し、28社から回答を得ました(4月28日郵送。回答締め切りは5月20日、最終到着5月28日)。
 回答のなかで、回答者の役職・個人名を「公表しないでほしい」と表明した社があることについては、一定程度の理解はできるものの、新聞社名の公表をすら不可とする社があったことは、残念です。
 ある大学教授(元全国紙論説委員)が、ワークショップの本題ではない「実名報道」について何度も発言し、「スウェーデンの新聞は面白いのか」「面白くない新聞を誰が読むのか」とか、河野さんを目の前にして、「被疑者を実名報道するから、他の人が疑われないのだ」などと発言しました。被疑者・被告人を犯人として断定しているだから、話にならない。東京女子大学の加藤春恵子教授は「面白いという基準は何か」と言っていました。
 また全国紙の社会部デスクは、松本サリン事件の長野県警が未熟でったうえ、当時の警察庁幹部が判断を誤ったと強調し、河野さんはたまたま警察官僚のひどいのにあたってしまったために被害に遭ったと受け取れとれる「解説」を行っていました。警察の制度の問題なのに、それが分かっていません。一連の警察の犯罪、不適切な行為を忘れてしまっています。
 東京・浅草や京都の事件でまた女性の被害者を晒し者にする報道が展開し、8日に大阪の小学校起きた事件では、精神「障害」患者への偏見に満ちた報道が、原則無視の「実名報道」で展開されいることに心を痛めています。

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Copyright (c) 2001, Prof.Asano Ken'ichi's Seminar Last updated 2001.07.08