2003年9月4日

浅野の講演などの予定

9月1日からNY、トロント、ストックホルム、ロンドンなどへ海外出張です。11、12日にストックホルムである欧州独立報道評議会連合(AIPCE)総会への参加とイエーテボリ大学でのセミナーにパネリストとして出るのが主な目的。

NYでは「イラク侵略とメディア」をテーマに共同研究しているゼミ3回生ら5人とNY合宿。2日午後、独立ラジオ局「デモクラシー・ナオ!」のグッドマンさんにインタビューできました。イラクの特派員だった記者にも会え、また同じビルの独立テレビディレクター集団にも取材ができました。

グッドマン氏は、日本でイラクへの自衛隊派兵法が成立し、小泉純一郎首相がイラクへ自衛隊を派兵する準備のための政府調査団派遣を決めたことについて、「驚くべきことだ。米国の今回の戦争はイラクを侵略しただけでなく、世界中の国々にある右翼勢力を鼓舞(show up)しており、日本においても政府の方針を大きく変えさせるように圧力をかけている。米国に言われて派兵しよいとしている。金と権力を求める西側のよき政治家の跡継ぎとなった」と指摘しました。

「デモクラシー・ナウ!」のHPはwww.democracynow.org/

3日午後には、ニューヨーク・タイムズのChirs Hedges記者にNJ州で会えました。“WARIS A FORCEbTHAT GIVES US MEANING”の著者です。

5日にはFAIRを訪ねます。

9月23日に日本に帰ります。

八月初旬の朝鮮への一週間の旅は、沖縄タイムズに書きました。三回連載の予定です。週刊金曜日9月19日に、朝鮮中央テレビについても書きます。

 

以下は案内です。

★2003年9月26日(金)午後6時〜9時

中央大学駿河台記念館2F

第19回「人権と報道を考えるシンポジウム」

「裁判員制度導入と報道」

人権と報道・連絡会主催

 

政府与党は「司法改革」の一環として、重大事件の審理に市民が参加する「裁判員制度」の導入を決めているが、裁判員に偏見を生じさせないよう、事件・裁判の報道規制を行おうという動きが出てきた。司法制度改革推進本部の検討会は、「公正な裁判を実現するため」という理由で、裁判の評議に関する内容を裁判員やその経験者が外部に話すことを禁じ、違反した場合に懲役刑を科すことや、偏見報道をしないよう配慮を求めた規定を盛り込む方針だ。

 現在のマスメディア報道が捜査段階で被疑者に対して集中豪雨的な「実名・犯人視報道」を展開し、弁護士の選任まで妨害される「世論」ができあがる事態も見られ、公正な裁判にメディア企業は「表現の自由」を理由に、こぞって法規制に反対しているが、報道界が全体で自主規制する以外に報道規制を拒む道はないと思われる。個人情報保護法が成立し、メディア規制が強化されようとしている今こそ、諸外国にある報道倫理綱領の制定と報道評議会の設置を要とするメディア責任制度を確立すべきだ。

そこでメディアの事件・裁判報道を規制する法廷侮辱罪がある英国で、報道苦情委員会のプライバシー担当理事を長年務めるロバート・ピンカー氏を招いて、「裁判員制度導入と犯罪報道」をテーマにシンポジウムを開く。 

 

講演&パネル・ディスカッション

記念講演:「公正な裁判とメディア報道---英国におけるメディア責任制度の現在」

英国・報道苦情委員会(PCC)プライバシー担当委員、ロバート・ピンカー氏(ロンドン大学名誉教授)

 

パネル・ディスカッション「裁判員制度導入と犯罪報道」

 

河野義行さん(松本サリン事件報道被害者)

西村健さん(弁護士、日弁連司法改革実現本部事務局次長)

明珍美紀さん(新聞労連委員長)

 

ロバート・ピンカー氏

ロンドン大学経済学部(LSE)で社会政策を担当。PCCが1991年に創設されて以来のメンバーで、02年から今年5月まで、PCCの議長代行を務めた。欧州独立報道評議会連合(AIPCE)の責任者。

日本では裁判員制度の導入で、法務省は、捜査段階での報道が偏見を与えないように法規制しようとしている。陪審制度をとる英国では、事件・裁判の報道を規制する法廷侮辱罪があるが、実際の取材・報道で、人権と報道をどう両立させているのかをメディア責任制度の関係で講演してもらう。

欧州では、プレスオンブズマン・報道評議会法を軸とするメディア責任制度が社会の中でますます定着し、法律によるメディア規制を防ぎ、取材・報道される側の人権を擁護するために活動している。PCCは諸外国の報道評議会設立を支援。

1985年に「日本にも報道評議会・プレスオンブズマン」をスローガンに市民運動を始めて18年。新聞労連も欧州での調査をもとに、日本報道評議会の設立を呼びかけている。いまこそ英国の実践から学ぶべき。

Professor Robert Pinker, Privacy Commissioner, Press Complaints Commission

Professor Robert Pinker has served as a member of the UK Press Complaints Commission since 1991, as its Acting Chairman from 2002-3, and as its Privacy Commissioner since 1994.  His previous experience in the field of self-regulation includes Council membership of the Advertising Standards Authority from 1988 to 1995 and the Direct Mail Services Standards Board/Accreditation Centre from 1995 to 1998.

 

In his academic career, he had held Professorial appointments at Goldsmiths College, Chelsea College and the London School of Economics.  During his tenure at the London School of Economics he served as Pro-Director of the School from 1985 to 1988, and as Pro-Vice-Chancellor for Social Sciences of the University of London from 1989 to 1990.  In 1996 he was appointed Emeritus Professor of Social Administration at the LSE.  His academic publications include Social Theory and Social Policy, 1971; The Idea of Welfare, 1979; Social Work in an Enterprise Society, 1990, and more recently, various articles on social policy issues and press self-regulation.

 

     10月25日(土)午後2時 当番弁護士を支える市民の会5周年記念シンポでパネリストパネルディスカッション「刑事裁判と犯罪報道−−裁判官はワイドショーを見な
いの?−−」
 被疑義者弁護に対する公的扶助や裁判員制度の導入をめぐって、刑事司法制度の改革論議は、大詰めに差し掛かっています。また、長崎事件を契機に、ふたたび加熱する犯罪報道の問題が注目を集めています。現実には、捜査から公判、行為者の社会復帰や犯罪被害者への配慮、さらには刑事立法政策にいたるまで、刑事司法のあらゆる段階で、マスメディアの影響はますます大きくなっています。
 これまで、わたしたちは、職業裁判官の独立と中立を守れば、公正な裁判が保証されるという建前を信じてきました。しかし、最近の法廷を見ると、被害者の遺影の持込みが認められたり、被告人が土下座をして許しを請うような場面に遭遇することがあります。世間の耳目を慫慂させるような、いわゆる「重大事件」では、裁判官や検察官が、マスメディアを意識しているのではないかと思わざるをえない発言も目立ちます。そこで、今回のシンポジウムでは、刑事裁判に対する犯罪報道の影響を正面から取り上げてみようと思います。題して「裁判官は、ワイドショーを見ないの?」です。

(パネリスト) 

 寺崎一雄(現テレビ西日本取締役、元西日本新聞編集局社会部長、1993年新聞協会賞を受賞した編集企画・「事件報道の改革『福岡の実験』−−容疑者の言い分掲載−−」の責任者)
 豊田泰史(弁護士《和歌山県弁護士会》、和歌山カレー事件弁護団団員)
 浅野健一

日 時 2003年10月25日(土)14:00−16:30
場 所 京都弁護士会会館 大会議室

★米国のアフガニスタン、イラク侵略に関する11月8日シンポジウム@同志社』

11月8日、今出川校地 明徳館21。

主催はIICTA京都実行委員会など。

(以上)

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Last updated 2003.09.04