2004年7月20日
浅野から新刊のお知らせ
『新版 松本サリン事件報道の罪と罰』
『新版 犯罪報道の犯罪』に続いて、7月初めに新風舎文庫から、河野義行さんとの共著『新版 松本サリン事件報道の罪と罰』が出版されました。約二週間で増刷になりました。
人権と報道・連絡会事務局長の山際永三さんが解説を書いてくれました。
6月に出た『新版 犯罪報道の犯罪』も好評で、早くも三刷りになりました。
04年7月18日の中日新聞の読書欄の《「今」がわかる名著》「市民とメディア」(中)で、この新版も含め、私の著書が一冊も紹介されていません。中部地方に住むある大学教員(メディア学)が「本日の中日読書欄の犯罪報道特集で先生のご著書が一冊も紹介されておりません。どうしてなのでしょうか?秋学期には講義の課題図書に指定しようと思っております」と書いてきました。
この特集記事は東京新聞にも掲載されていました。私は家で東京新聞を購読しているので、とても不思議に思いました。
この特集は七月一八日から毎週日曜日に三回連載のようで、二五日の(下)でも、私や山口正紀さんの著書は一切出ていません。
特集記事の筆者は弁護士の飯田正剛さんです。飯田さんは三億円事件の冤罪被害者の配偶者(故人)の実名をあげて報道評議会のことを論じているのに、全く不思議なことです。三億円事件の報道被害者の実名(姓)を書くのは許されないと、飯田氏たちは言ったことがあります。
この飯田さんは、司法修習生のころ、私の第一作『犯罪報道の犯罪』(学陽書房、その後、講談社文庫、新版として新風舎文庫)を読んで私に連絡をしてくれ、人権と報道・連絡会の会員にもなっています。京都で開かれた「修習生 春の集会」で私の講演会を開いた人で、私の二冊目の本『犯罪報道は変えられる』(日本評論社)の三三七頁などに登場しています。
岩波書店など、私や山口正紀さんの著作をないものとして論じる出版社や文化人が絶えません。大人気ないことです。人権を確立する運動に、「党派性」を持ち込むのはどうでしょうか。
新版 松本サリン事件報道の罪と罰 著者:河野義行 浅野健一 驚愕の事件から10年、「報道被害」の全容が明らかに! |
2004年6月27日で「松本サリン事件」発生から丸10年が経過しました。
事件とは無関係の第一通報者河野義行氏が、各マスコミの報道により日本中の人々から「犯人扱い」された事件はまだ記憶に新しいことです。なぜ、河野氏は「犯人扱いされてしまったのか? どういった経緯で「マスコミ報道」は行われていったのか?
新版の刊行にあたり、加筆修正を150ページ追加。新資料の提示により事件の全容が明らかになります!
現在は田中康夫知事の要請により長野県公安委員に就任、「報道加害」の現状を訴え続ける河野義行と「匿名報道」を大胆に主張、メディアの報道加害を検証し続けるジャンーナリスト浅野健一との共著による一冊です!
薫風の候、貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
昨年11月の新創刊以来、毎月ラインナップの充実を図ってまいりました新風舎文庫でございますが、この7月の新刊といたしまして『新版 犯罪報道の犯罪』を刊行いたします。おかげさまで、各書店様、マスコミからも大きな反響をいただいております。
『新版 松本サリン事件報道の罪と罰』は2001講談社文庫から刊行され大反響を巻き起こしました。今年の6月で事件から10年。新資料、大幅加筆により「報道被害」の全容が明らかになります。その後の河野氏の動向、浅野氏の主張も注目すべき部分です。
つきましては何ならかのかたちでご紹介いただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。【体裁】 ■著者 河野義行・浅野健一 ■体裁 B6、576頁 ■定価 1039円 (本体価格1090円) |
【書籍概要】
1994年6月27日に発生、死者7名、重軽傷者144名を出す大惨事となった「松本サリン事件」。警察は、本来被害者であるはずの第一通報者・河野義行氏の自宅を被疑者不詳のまま、家宅捜索、薬品類などを押収。その後、マスコミ各社の報道により、オウム逮捕までの間、日本中の人々から犯人扱いをされた。
被害者で無実の人間がいったいなぜ「犯人」扱いされてしまったのか?
報道被害の実態と要因を明らかにし、克服の方法を提示。事件から10年が経過、大幅加筆と新資料により“新版”として刊行。
【主な内容】
新版にあたって 浅野健一(追記)
第一章 私のマスメディア体験 河野義行
第二章 マスメディアの暴走 浅野健一
第三章 子どもの立場から見た松本サリン事件報道 河野仁史
第四章 世紀を超え続く犯罪報道の犯罪 浅野健一
第五章 自分の体験から「オウム追放運動」を語る 河野義行
第六章 メディア・リンチから人間にやさしい報道へ 浅野健一
第七章 なぜ報道被害は起こり続けるのか[対談] 河野義行・浅野健一
第八章 メディアとどうつきあっているのか[対談] 河野義行・浅野健一
第九章 法規制を避けるため今こそ報道評議会の設立を 浅野健一
資料 虚報の責任と改革案 マスコミ各社と警察に聞く 浅野健一
追記 新聞各社の苦情対応組織とメディア責任制度(追記) 河野義行・浅野健一
【著者プロフィール】
河野義行(こうのよしゆき)
1950年愛知県生まれ。
名城大学理工学部卒業。1944年に起きた松本サリン事件の第一通報者。警察に家宅捜索、
事情聴取をされたため、マスコミは事件の容疑者として大きく報道。だが無実が証明され、長野県警本部、国家公安委員長、マスコミ各社が相次ぎ謝罪した。
2002年7月、田中康夫長野県知事の要請により長野県公安委員に就任
著書に『「疑惑」は晴れようとも』(文芸春秋社)『妻よ!』(潮出版)など多数。
浅野健一(あさのけんいち)
1948年香川県高松市生まれ
慶応義塾大学経済学部卒業後共同通信社入社。本社社会部、ジャカルタ支局長などを経て
同志社大学文学部社会学科教授。
「人権と報道・連絡会」
(連絡先:〒168−8691東京杉並南郵便局私書箱23号、fax03‐33419−9515)世話人。
日本マス・コミュニケ−ション学会、日本平和学会会員。
主著に『新・犯罪報道の犯罪』(講談社文庫)、『過激派報道の犯罪』(三一新書)、
『マスコミ報道の犯罪』(講談社文庫)、『日本大使館の犯罪』(講談社文庫)、
共著に『匿名報道』(山口正紀氏との共著、学陽書房)、
『松本サリン事件報道の罪と罰』(河野義行氏との共著、第三文明社)などがある。
この件に関するお問い合わせ先
■株式会社新風舎/文庫編集局 担当:米山勝己
〒107-0062 東京都港区南青山2-2-15 ウィン青山ビル2F
TEL.03-3746-1048 FAX.03-3746-1047 e-mail:k-yoneyama@pub.co.jp
(以上)
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