prof. Asano's Seminar

10月13日新聞学原論
元読売新聞記者でジャーナリストの山口正紀さん ゲスト講義
10月13日、2時間目の新聞学原論に、
元読売新聞記者でジャーナリストの
山口正紀さんがゲストで講義します。
その後、浅野ゼミの3、4回生の合同ゼミ(15時開始)でも集中講義します。
両方とも、1、2年生、他専攻の方、
どなたでも参加できます。
直接教室にお越しください。
講師 山口正紀さん
     (元読売新聞記者・ジャーナリスト・人権と報道連絡会世話人)

日時 2005年10月13日木曜日
    2限目の新聞学原論 および 15時からの3,4回生合同ゼミ

場所 新聞学原論―今出川・知誠館S4教室
    ゼミ―新町校舎・尋真館Z44B(変更になる場合張り紙でお知らせ)

 どなたでも自由にご聴講ください。事前連絡は必要ありません。

<講義の概要>


     「改憲」と「報道の自由」――問われるメディアの責任

                                        山口正紀

T 今なぜ、どう「改憲」なのか

1――9条改悪=進行する「戦争する神の国」作り

(1)米世界戦略への完全な組み込み――「日米同盟」と言う名の侵略連合軍へ
(2)財界が求め、主導する改憲――グローバリゼーションの「権益保護」を求めて
(3)敗戦で中断した「天皇を中心とした侵略の国」の再編成
(4)みんなで靖国神社に参拝する国民の会」の中国攻撃活発化
(5)具体・衆院憲法調査会が「改憲の必要性」報告

2――自民党改憲案の狙い(05年4月4日「新憲法試案要綱」を中心に)
 ――憲法を「政府・権力行使を縛るもの」から「市民・人権を縛るもの」に

(1)「安全保障」と「国防の責務」
(2)前文に盛り込むべき要素としての「国の生成」
(3)前文か12条に言及すべき「国民の権利及び義務」

3――警戒すべき「9条、96条から風穴」戦略

(1)舛添要一・新憲法起草委員会事務局次長の発言
(2)メディアの「改憲」報道には甘さ

4――改憲の危機を深めた「9・11」総選挙

(1)「9条改憲」賛成議員は、衆院の72・1%に(9月12日共同通信調査)
(2)民主党の前原誠司・新代表が「9条改憲」言明(9月17日)
(3)衆院に改憲手続きを定める国民投票法案審議の「憲法調査特別委員会」(9月22日)

U 「報道の自由」とメディアの戦争責任

1――言論統制と右翼テロに屈服した戦前のメディア

(1)言論・報道の自由を恐れた権力
(2)軍部・右翼の攻撃、不買運動

2――戦争に加担して部数を伸ばした新聞

(1)「明治」初期の戦争報道
(2)日清戦争報道(1894年)
(3)日露戦争報道(1904年)
(4)中国侵略〜アジア太平洋戦争報道

3――戦争責任をとらなかったメディア

(1)戦争責任を回避し、敗戦後も生き延びた新聞
(2)天皇もろとも「水に流した」メディアの戦争責任

V 蝕まれる「報道の自由」

1――憲法が保障した言論・報道の自由

(1)日本国憲法に明記された「表現の自由」
(2)「知る権利」「報道の自由」を確立するための「名誉毀損の免責条項」

2――メディア法規制の動き

(1)報道を敵視し、規制を狙う権力
(2)90年代以降、急速に進むメディア法規制
(3)メディアの法規制反対運動――その場しのぎの対応

W 報道の自由はだれのものか

1――乱用される「報道の自由」

2――無化される21条・市民の「報道の自由」

(1)ビラまき弾圧が奪う市民の「言論・報道の自由」
(2)報道への権力介入(検閲の禁止)
(3)与党の「国民投票法案」に報道規制条項

3――抑圧されるメディア内部の「言論の自由」

(1)記者の社外言論活動の規制強化
(2)萎縮し、自主規制する記者たち

X「翼賛化」メディアと市民の課題

1――ナショナリズムを煽り、翼賛化する報道

(1)転機になった「オウム報道」と99年国会
(2)「9・11」と「9・17」――報道が煽った「被害者のナショナリズム」
(3)「被害者意識」を煽り、「有事法制」を支持したメディア
(4)イラク戦争・自衛隊派遣を支えたメディア

2――進行する「先取り改憲」事態=「違憲」の常態化

(1)9条「戦争放棄」無化=アフガン戦争加担、イラクへの陸自派遣
(2)20条「信教の自由」「政教分離原則」無化=小泉首相の靖国参拝
(3)19条「思想・良心の自由」の侵害=国旗国歌法、日の丸・君が代強制
(4)教育の憲法である教育基本法無化=「愛国心」教育

3――ジャーナリズムの課題

(1)「権力の広報」でなく「権力を疑う報道」を
(2)ニュースの価値判断を転換し、背景を探る報道へ
(3)日本的「中立・客観報道」を見直し、少数者の声を伝える報道へ
(4)報道被害をなくし、市民の信頼を得るシステムを
(5)メディア内に「言論の自由」を

4――言論労働者と市民の課題

(1)「警察裏金報道」に見えるジャーナリズムの灯
(2)新聞労連・労働組合の役割
(3)市民に開かれたメディア作り
    

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