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講演会のお知らせ
甲山事件冤罪被害者 山田悦子さん
掲載日:2006年10月8日
 甲山事件の冤罪被害者、山田悦子さんが10月12日(木)に同志社大学に来ます。講義とゼミにゲストとしてお招きして、「マスメディア」「法の精神」などについて、じっくり語っていただきます。
 山田さんは警察・検察の不当な捜査の問題点を指摘する一方で、なぜ日本では人権が蹂躙されるのかを、1895年からのアジア太平洋諸国に対する侵略について、国民も政府も責任をとっていないこととの関係で考えてきました。また、マスメディアを学校教育と並ぶ「民間の教育機関」と位置づけ、ジャーナリズムの改革についても提言を続けています。
 甲山事件に関する新聞・雑誌報道の資料は、甲山救援会(解散)から同志社大学社会学部メディア学科に寄贈されています。その現物はKS3階のメディア学科資料室に保管されています。
浅野ゼミの皆さんは、彼女の訴えに耳を傾けてほしいと願います。

 一般の方の参加もOKです。直接教室にお越しください。
ゲスト講義

日時:2006年10月12日(木) 午前10時45分〜12時15分 
演題:「法律・メディアは何のためにあるのか」
場所:同志社大学今出川キャンパス・新町校舎臨光館208番教室
    「新聞学原論 U」のゲスト講義

ゼミ・ゲスト

また12日午後3時から4時半(4限)の浅野ゼミ(3回生)にもゲストとして来てくれます。
教室は新町校舎・尋真館4階の「Z45a」です。場所は以下のサイトで見てください。
http://www.doshisha.ac.jp/access/ima_campus.html
ゼミ以外の人も、どうぞ参加ください。
 甲山事件とは

 兵庫県の知的障害児入所施設で二人の子どもが連続して行方不明になり、その後施設内の浄化槽から溺死体で発見された事件。殺人事件という想定で捜査が開始され、当時の保母が逮捕され、起訴され、25年かけて無罪が確定した事件。

 74年3月に兵庫県西宮市の知的障害児施設「甲山学園」の浄化槽から園児2人が遺体で見つかり、同園保母の山田さん(当時、沢崎さん)は男児への殺人容疑で逮捕された。  

 不起訴、検察審査会の不起訴不当の議決、再逮捕、一審無罪、大阪高裁で破棄・差し戻し判決という異例の経過をたどり、93年から神戸地裁で差し戻し審。3月24日、差し戻し審(吉田昭裁判長)で無罪判決。事件から24年後の「再び無罪」判決だった。知的障害を持つ園児の証言が争点だった。神戸地検(堀川和夫検事正)は4月6日、大阪高裁に再控訴、さらに第二次控訴審の大阪高裁は3回目の無罪判決。99年10月8日大阪高検が上告断念を正式に発表。山田さんの無罪が確定。99年11月4日大阪高検が荒木さん、多田さんに対する上告を断念。ここに甲山刑事裁判のすべてが無罪終結。


 山田悦子(やまだ えつこ)さん

 富山県出身。72年徳島文理短期大学卒業。72年4月甲山学園保母。
 無罪確定後も、各地の弁護士会に招かれ、司法についての講演を行う一方、日本の警察・司法のあり方から、「無答責性」についても疑問をもち、日韓の研究者、ジャーナリストに呼びかけ、答責会議設立に尽力。1991年からシンポジウムを重ねる。
 寿岳章子・祖父江孝男編『無答責と答責』(お茶ノ水書房、1995年)に日本の朝鮮半島などへの戦争責任問題を論じた「無答責から答責への道」を発表。


 (以上)
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