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 ゲスト講義&シンポジウム「警察裏金事件とメディア」のご案内
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同志社大学社会学部の全専任教員で構成する研究組織である同志社大学社会学会は、本学社会学部メディア学科との共催で、公開シンポを開きます。

■社会学会主催の公開シンポジウム

12月1日(金)午後6時半から9時まで、一般市民も対象にした公開シンポジウム「警察裏金事件とマスメディア」を下記のとおり開く。同志社大学社会学会(会長・井上智義教授)は、同志社大学社会学部の全専任教員で構成する研究組織。シンポは本学社会学部メディア学科との共催。

警察の裏金を調査報道し新聞協会賞を受賞した北海道新聞の佐藤一(はしめ)氏(現在、東京支社社会部記者・厚生労働省担当)が基調講演。第二部で、高知新聞編集局次長の中平雅彦氏、原田氏、仙波氏がパネリストになって討論する。

一連の裏金問題では、全国紙など大手メディアが「権力チェック」を放棄する中、北海道新聞、高知新聞、愛媛新聞などの地方紙が健闘した。(落合博実・元朝日新聞記者が「文藝春秋」05年10号に「朝日新聞が警察に屈した日」と題して書いた記事を参照)。しかし、道新は社内の不祥事などをめぐって警察から「揺さぶり」をかけられ、裏金報道はトーンダウン。さらに、「泳がせ捜査失敗」記事に関する道警の圧力に屈し、道新は「お詫び」記事を掲載して、裏金報道の中心になった記者を処分してしまった。さらに、当時裏金問題の対応に当たった元道警総務部長が、06年5月、道新裏金問題取材班のキャップ佐藤一氏などを名誉毀損で提訴した。
裏金作りの実態、それに抵抗する警察官の闘い、メディアの報道、道新の現状などについても報告していただく。

無料。事前申し込み不要。

                           記

1 日時 12月1日(金)午後6時30分〜9時

2 会場 同志社大学今出川校地新町学舎臨光館201番教室(R201)
  〒602−0047 京都市上京区新町通今出川上ル 
  同志社大学社会学部
       電話 075−251−3441(社会学部研究室事務室)
       ファクス   251−3066
       京都市営地下鉄烏丸線今出川駅下車徒歩約5分
       ⇒地図で確認

3 演題 「警察裏金事件とマスメディア」
  佐藤一・北海道新聞記者が基調講演。
  講演後、佐藤記者、中平雅彦・高知新聞編集局次長、原田宏二・元道警釧路方面本部長、仙波敏郎・愛媛県警巡査部長がパネリストになって討論。

4 対象者 教職員、学生(学部、院)、一般市民

5 共催 同志社大学社会学会・同志社大学社会学部メディア学科
■裏金告発警察官によるゲスト講義

また、シンポの前日である2006年11月30日(木)午前10時45分から12時15分までの「新聞学原論U」(浅野健一担当)のゲストに、北海道警の組織的な裏金作りを内部告発し、その後も「明るい警察を実現する全国ネットワーク」を設立して活躍中の元道警釧路方面本部長・原田宏二さんと、1973年から偽領収書作成を拒否し、「地獄の報復人事」に耐え抜いた正義の警察官、愛媛県警巡査部長の仙波敏郎さんの二人をお招きし、お話をうかがう。
教室は今出川校地新町学舎臨光館208番教室(R208)
原田さんは「警察神話は崩壊したか」、仙波さんは「なぜ裏金を告発したか」と題して講演する。
ゲスト紹介

<佐藤一さん略歴 >

1963年福島県生まれ。立命館大学文学部(日本史専攻)卒業後、官庁系シンクタンク、経済誌記者、フリーライターを経て、1993年北海道新聞入社。内勤、釧路支社勤務後、本社社会部(現報道本部)に異動。道庁、札幌市内署回りを経て、道警本部キャップ。その後道教委担当を経て道警担当。このポジションの際、道警裏金問題についてキャンペーン報道行い、現場責任者だった取材班(デスクは高田昌幸・現ロンドン特派員)として日本新聞協会賞、菊池寛賞などを受賞。2005年7月から東京支社社会部で厚生労働省を担当している。43歳。
 
<原田宏二さん略歴>

1937年生まれ。57年北海道警察に採用され、89年に警視正。旭川中央署長・道警本部防犯部長などを歴任。04年2月、道警の裏金問題について、元道警最高幹部として「告発」記者会見。05年、その後の裏金問題追及の経過や現場の警察官の苦悩も描いた『警察内部告発者』(講談社)を出版、全国に大きな反響を呼んだ。さらに今年8月には、続編として愛媛、長崎、高知で警察の裏金作りに抵抗する警察官たちの闘いを記録した『警察VS警察官』(講談社)を出版したばかり。この本の中で、仙波さんのことを詳しく書いている。『明るい警察を実現する全国ネットワーク』設立。警察の民衆化に向けて活動中。

<仙波敏郎さん略歴>

1949年愛媛県生まれ。愛媛県警生活安全部地域課鉄道警察隊分隊長。57歳。1973年、その年の最年少者として24歳で巡査部長の昇任試験に合格。直後に配属された三島署で初めて上司からニセ領収書を書くことを要求されたが拒否。それ以降に配属された警察署でもことごとく拒否し続けたために30年以上も巡査部長より上に昇任することができなかった。2005年1月20日、現職警察官として初めて実名で警察の裏金問題を内部告発する記者会見を行った。会見から4日後、地域課通信司令室への配置転換を内示、27日付で異動。仙波氏は愛媛県人事委員会へ配置転換の取り消しを求める申し立てを行った。同委員会は6月7日「鉄道警察隊から通信司令室への配置転換は人事権の濫用に当たり、これを取り消す」という裁決を下した。

<中平雅彦さん略歴>

1954年高知県生まれ。80年に高知新聞社入社。政治部などを経て、04年4月から3年間、社会部長。05年4月から現職。高知新聞編集局次長兼報道センター長。高知新聞が高知県警の捜査費報道を始めた03年の捜査費不正報道時の社会部長で、北海道新聞の佐藤氏らと連携し、キャンペーンを張ってきた。道警OBの原田氏とも面識がある。10月末に札幌で道新を取り巻く状況を考えるシンポがあり、参加した。道新と道警の問題ではなく、メディアと警察権力の問題ととらえている。

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