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新刊のご案内
『メディア凶乱(フレンジー)
──報道加害と冤罪の構造を撃つ』

浅野健一

浅野健一から新刊書のお知らせです。

12月25日に『メディア凶乱(フレンジー)──報道加害と冤罪の構造を撃つ』(社会評論社、2200円+税)を出します。
四六判並製・本文13級・288頁。

「被害者遺族の気持ち」をタテにして報復感情を煽り、被告人や弁護士に対するバッシングを繰り返すマスコミ。冤罪が明らかになっても、過去の報道を自ら検証する意識も能力もないマスコミ。「ねつ造問題」をセンセーショナルに報じるために「事実」を「ねつ造」するマスコミ……。崩壊するマスメディアの病理を撃つ一書です。

富山強かん冤罪事件の被害者インタビュー、加藤紘一議員実家放火、光市事件報道(橋下徹弁護士訴訟)、秋田男児殺害事件初公判、裁判員制度とメディア責任制度、日朝関係など幅広いジャンルを扱っています。私が足を運んで取材した本です。ぜひ読んでください。

目次は以下のとおりです。

はじめに─「メディア・フレンジー」とは?…3 

第1部 崩壊するジャーナリズム

第1章─光市事件報道の犯罪 安田好弘弁護士らを攻撃するメディア 16
 「リンチ」肯定し瓦解する司法…16
 「放送倫理・番組向上機構(BPO)放送倫理検証委員会」に申し立て…18
 検察・メディア一体の弁護士攻撃だ…22
 コメンテーターが垂れ流す無責任発言…23
 橋下弁護士を提訴…26
 主要新聞も一面的報道に終始…29
 雑誌メディアも検察ベッタリの報道…31
 メディアの偏向ぶりに市民から疑念の声も…34
 無視された元法相の死刑廃止論…37
 元少年の鑑定医に誹謗中傷が集中…38
 権力と一体化した御用マスコミ…40 

第2章─「真犯人が出たから無罪」で終わってよいのか 42
 思いのたけを語る富山冤罪被害者
 捜査の問題は棚上げで?お気の毒?…42
 出所後、“真犯人”が現れ、再審開始…44
 出来レースだった捜査という名の暴力…46
 冤罪に加担した国選弁護人…49
 柳原さん拘束中にも“真犯人”による犯行続く…51
 刑務所での過酷な生活…53
 なぜ名前と顔を出したか…56
 「無実なら自白しない」と思っていた…60
 「裁判所が機能していない」…61
 冤罪作ったエリート裁判官…62
 取り調べの可視化を求める動き…65
 長能刑事をかばう企業メディア…68
 国家賠償請求で冤罪の責任を問う…70
 “真犯人”と面会…71
 甲山資料完成記念シンポで訴え…72
 富山冤罪事件とメディア…81 

第3章─日本新聞協会冊子「実名と報道」の欺瞞 86
 反動の時代のジャーナリズム 「読者の視線に立つ」原則に…86
 揺らぐ官憲依存の実名主義 自業自得の匿名発表化…91
 冊子の筆者、発行人は覆面 警察を監視しているのか…94
 警察裏金を調査報道せよ 協会加盟の大新聞の課題…97

第2部 迷走するマスコミ報道と暴力

第4章─自壊するマスメディアの現在 102
 宇和島冤罪事件の国賠訴訟 ズサン捜査追認した誤認判決…102
 米FOXニュース 国粋主義でネオコン政権支える…104
 NNNドキュメント 高松市の不当な生活保護番組非難…107
 いじめ自殺報道 政権党・文科省批判はタブーか…109
 性奴隷番組の改竄判決 ニュースを捏造する安倍首相とNHK…112
 「あるある大事典」捏造 メディア全体の捏造構造が問題…115
 松岡農相死亡報道 自殺前の墓参りウソを訂正せよ…117
 権力介入阻止するメディア責任制度を 奈良地検鑑定医逮捕…120

第5章─史上最悪の「凶乱」取材 秋田・男児殺害事件マスコミ報道 123
 秋田でまたしても過熱取材…123
 「マスコミはいい加減にしてほしい」との住民の声…125
 捜査に先行した週刊誌の犯人視報道…126
 容疑者の報道陣への罵声は不当か…127
 読売の「前打ち」から始まった…128
 情報番組リポーターの無責任…130
 異例の弁護士「自白」会見…131
 弁護士は聴取を中断させていた…133
 六月七日以前の「殺害自供」報道は虚偽…135
 教育委員会のメディア対策…136
 自主規制を模索した報道側の対応…138
 警察はメディアを利用したか…142
 犯罪報道の変革と報道評議会設立を…143

第6章─秋田に再び押しかけたマスコミ 144
 長女「殺害」と断定できるのか…144
 情報番組・文化人がまきちらす妄言…148
 長女事件の新展開でエスカレート…151
 テレ朝と日テレが筆者の質問状に回答…153
 一年二ヵ月後に公判始まる…155

第7章─北九州の小学校長はマスコミに殺された 「いじめ隠し」虚偽報道 157
 保護者らが報道陣に「お前らが殺したんだ!」…157
 「いじめ隠し」はなかった…160
 読売の“特ダネ”と市教委の断定…161
 RKB毎日、TBSが「匿名・会見映像不使用」…163
 「ニュース23」でもオンエア…167
  NHKニュースが自殺を誘引か…168
  八人は仲間だった…170
  読売新聞へ抗議に出向いた保護者…171
  いじめの有無を論じるナンセンス…173
  事実は恐喝のいじめ行為だった…173

第8章─検証・不二家報道 みのもんた氏とTBSは捏造疑惑に応えるべきだ 178
  不二家バッシング報道の始まり…178
  「朝ズバッ!」に虚偽・捏造の疑い…180
  不二家が放送直後から異例の抗議…181
  保健所に届けていないというウソ…185
  民放連会長が国会で厳正調査を確約…186
  BPOの事務局にいるTBS社員…186
  「雪印の二の舞」発言は社外コメント…188
  不二家叩き報道と不二家のメディア対応…189
  不二家の再出発と放送の責任…191

第9章─冤罪事件に加担するマスコミ報道 194
 無罪ラッシュとマスコミ犯罪報道…194
 鹿児島県議選事件…194
 大阪裁判所長事件…195
 相次ぐ無罪判決…197
 検察・検察が異例の指示…198
 「人権と報道・連絡会」設立から二二年…201
 若手記者へかける期待…203
 検察が糾弾した犯罪報道の犯罪…206
 裁判員制度導入で最後の好機…207
 最高裁関係者が報道のあり方に懸念を表明…210

第10章─右翼テロに甘いメディアと警察 加藤紘一議員宅放火事件をめぐって 214
 加藤紘一宅に放火…214
 更地になった火災現場…215
 三年前から目をつけられていた…218
 またも「供述報道」のフライング…219
 なぜ団体名、個人名を出さないのか…222
 右翼テロを容認した石原都知事…226

第11章─ 加藤紘一議員が語った放火事件の背景 228
 九七歳の母が無事だったのが何よりだった…228
 わびしさの漂う放火事件だった…229
 ピストルの実弾が送られてきたことも…231
 大平元総理を狙った短刀がわずかにそれた…232
 目標達成後、空虚感が漂う日本社会…234
 戦後日本が怠った二つの総括…235
 今、日本全体にものを言いづらい雰囲気…237

第3部 偏向の朝鮮敵視報道と排外主義政権

第12章─ 排外主義煽る偏向報道 240
 独W杯観戦記 「KJ」共同応援で友好を…240
 「人種差別にノーを」とPR…244
 安倍政権と報道 首相秘書に元裏外交密使…249
 朝鮮から見た「拉致」報道 孤立深める安倍政権とメディア…251
 六者会談後の自信あふれる朝鮮を見た…254
 朝鮮敵視報道 事実誤認と捏造ともいえる制作手法…259
 日朝友好学生訪朝団 訪朝でわかった日本メディアの嘘…269
 安倍氏の共犯だった報道界は猛省を…271
 東アジアの安定へ米朝が融和…274
 ニューヨークで反靖国シンポジウム…278

第13章─安倍反動政権と一体だった朝鮮敵視報道 283
 日朝友好を妨害する大学…283
 終わりのない理不尽な「北朝鮮」叩き…285
 世田谷の在日女性に謝罪を…288
 権力は罪人をつくりあげる…291
 朝日は四〇年前から偽リベラルだった…296

あとがき…299

この新しい本の出版記念パーティが下記のところで開かれます。

◆とき:2008年1月11日(金)夜7時〜9時(開場:6時半)
◆場所: ホテルリステル新宿・1F宴会場「あけぼの」
◆会費: 8000円(本代込み)

主催者からのメッセージです。

立食スタイルにて、飲み放題のお酒を楽しんでもらいつつ、楽しいパーティにしたいと準備しております。
◆問合せ先A: 社会評論社・新孝一
電話→ 03・3814・3861
ファクス→ 03・3818・2808 メール→ shin@shahyo.com

掲載日:2007年12月25日
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