公開シンポジウム
警察・検察の裏金と
マスメディア |
全国で唯一の現職警察官による警察の組織的裏金作りの告発。それによる不当な配置転換を違法として争った国賠訴訟一審判決は、劇的な勝利となった。マスメディアはこぞってこの一大ニュースを伝えたが、それもつかの間、次から次に起こる新しいニュースに目を奪われ、まだ何一つ解決を見ていないこの問題を掘り下げて伝えようとはしなかった。ごくわずかに、ただ表面的に伝えられる事件の続報・・・。そのマスメディアの関心の薄さに、官公庁の発表に完全に依存する体質が浮き彫りになっている。
はたして、彼らは「市民の知る権利」を行使するジャーナリズム機関であることを自覚し、「決定的な事実を書く」という責務を全うでき来ていると言えるのだろうか?
愛媛県警の裏金を告発した仙波敏郎巡査部長と松山在住の元産経新聞記者の・ジャーナリストの東玲治氏が現 在の警察・検察組織が抱える大問題の実態とともに、その真相を突く。
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日時:10月16日(木)18:30~21:00
場所:同志社大学今出川校地・新町校舎 臨光館201番教室(R201)<予定>
(京都市市営地下鉄烏丸線今出川駅下車徒歩約5分)
パネリスト(敬称略):仙波敏郎・東玲治・他
主催:同志社大学社会学部メディア学科浅野健一ゼミ
〒602-0047 京都市上京区今出川通新町上ル
同志社大学社会学部
電話 075-251-3457(浅野研究室)
ファクス 251-3066(共用)
電子メール kasano@mail.doshisha.ac.jp
事前申し込み不要・入場無料

なお、同日10:45~12:15、同じ新町校舎・臨光館201(R201)で、「新聞学原論Ⅱ」(浅野教授担当)の時間に、仙波さん・東さんによるゲスト講義が行われます。
同志社大学社会学会と社会学部メディア学科の共催で、06年12月1日、「警察裏金事件とマスメディア報道」と題した公開シンポを開きました。
FEATURES/2006/report-uragane.html
その後も警察の裏金づくりは続いています。北海道警の裏金を調査報道し新聞協会賞を受賞した海道新聞の記者は全員配置転換となり、北海道警がフリージャーナリストを提訴する事態も起きています。
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●パネリスト紹介●
仙波敏郎(せんばとしろう)さん
1949年愛媛県生まれ。愛媛県警生活安全部地域課鉄道警察隊分隊長。57歳。1973年、その年の最年少者として24歳で巡査部長の昇任試験に合格。直後に配属された三島署で初めて上司からニセ領収書を書くことを要求されたが拒否。それ以降に配属された警察署でもことごとく拒否し続けたために30年以上も巡査部長より上に昇任することができなかった。2005年1月20日、現職警察官として初めて実名で警察の裏金問題を内部告発する記者会見を行った。会見から4日後、地域課通信司令室への配置転換を内示、27日付で異動。仙波氏は愛媛県人事委員会へ配置転換の取り消しを求める申し立てを行った。同委員会は翌年の06年6月7日「鉄道警察隊から通信司令室への配置転換は人事権の濫用に当たり、これを取り消す」という裁決を下した。
県警は06年、「(告発された)捜査費の不正流用はなかった」と発表。
仙波が損害賠償を求めた訴訟で、松山地裁は07年9月、「配置転換は、(裏金告発に対する)報復で行われたと推認され違法」と県に請求通り100万円の支払いを命ずる判決を出した。県が控訴した控訴審(高松高裁)の判決は9月末に出る予定だ。
東玲治(ひがしれいじ)さん
1948年,東温市生まれ。松山東高校を経て松山商科大学(現・松山大学)経済学部を卒業。サンケイ新聞(現・産経新聞)大阪本社記者となり、高松、松山支局などを経て、本社社会部などで勤務。その後、希望して松山支局勤務となったが1988年に故あって退社。月刊紙誌を興し、2005年まで取材活動を続けたが、同年3月末に廃刊した。その直前に仙波君と出会い、同じ高校の同期生であり、告発を考えていることを知り、行きがかりから告発を支援する組織の立ち上げに関わることとなる。現在、支援組織「仙波敏郎さんを支える会」世話人のひとり。
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掲載日:2008年9月17日 |