Asano Seminar:Doshisha University
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09年度3回生浅野ゼミ案内
同志社大学・メディア学科2回生へのメッセージ

 以下は、09年4月からの浅野ゼミ16期生への招待のメッセージです。ジャーナリストを目指す人はぜひ読んでください。

2009年度3回生ゼミ説明会 浅野健一ゼミ 資料 09年1月13日

<初心に戻り、将来を見据えよう>

 4月に3回生となるみなさんに、「メディア学科に入学したときの初心に戻ろう」と呼び掛けたい。
 米国の新自由主義(市場原理主義)・覇権主義が地球規模で崩壊する中、市民的自由と人民統治(デモクラシー)を実現するための全面的な変革の時代です。ジャーナリズムの役割がますます重要です。こういう時代に、本格的にジャーナリズム論を学びたい人、大学院進学を考えている人、フリーランスも含めて報道機関での仕事を目指す人、国際的な活躍を希望する学生は、ぜひ浅野ゼミを考えてください。
 浅野ゼミOBGはメディア関係就職の輝かしい実績を持っています。良識ある報道機関は、学生がどういう識見を持っているか、「この人と一緒に仕事をしたいかどうか」などで判断するのです。大学時代にしっかり学問し、世界を知ることです。
 浅野ゼミのことをよく知って、判断してください。
 社会学部の今出川(新町)校地統合で、学部1~4回生、大学院の浅野ゼミはすべて新町で行われます。今まで以上に、縦のつながりが深くなることでしょう。2年間、楽しい仲間と過ごせるゼミにしたいと思っています。
 3・4回生がチューターになって1・2回生をサポートする教育GPも4月から本格的に始まります。

<指導教員の専門分野>

 私は日本を代表する報道機関の一つである社団法人、共同通信社で22年間にわたり、現場記者、特派員と外信デスクを務めた後、15年前に本学に来た。人権と報道、東アジアを中心とする国際関係論、ネット・ジャーナリズムなどの分野で調査研究している。
 教員になってからも、インディペンデント・ジャ-ナリスト(フリーランス)として新聞、雑誌、単行本などで取材、表現活動を続けている。サッカーW杯などスポーツと文化の取材も行い、朝鮮民主主義人民共和国での撮影映像はNHK、朝日放送でオンエアされた。
 浅野ゼミは様々なシンポや写真展を企画している。
大学へ移って間もなく15年。留学生も多く、国際的だ。博士課程後期に学ぶ韓国人留学生の李其珍(リ・キジン)さん=韓国のサンミョン(祥明)大学講師=が3月に博士論文を提出する。森類臣(ともおみ)さんは韓国のヨンセ大学大学院留学を終えて2月に帰国し、4月から同志社大学社会学部嘱託講師になる予定。「外国書講読(英語)」を担当。
 浅野ゼミ13期生から4人新聞記者になった。14期生から新聞記者、テレビ制作ディレクターが4月に誕生する。最近の浅野ゼミには、新聞、テレビ、雑誌などの報道関係の仕事を目指す学生たちが多いのは心強い。
学部1年生から院生までのゼミメンバーの活躍ぶりはゼミのHPをご覧ください。
今年は裁判員制度が5月にスタートする。日本にメディア責任制度を設立するために最も重要な年。1984年以来の活動の総決算と考えて、前進したい。

<どんな学生に入ってほしいか>

 活字を読んでほしい。また、英語を完全にマスターしてもらいたい。
 浅野ゼミを出た学生たちのほとんどは、自分たちの力で、メディア関係をはじめ、さまざまな分野で生き生きとして活躍している。「自治、自律、自立」の精神を持って将来を考えてほしい。教育とは英語でeducateという。eはoutで、ductはbringという意味だ。学生の持っている才能、可能性を引き出すお手伝いをすることであろう。ゼミで何をするかは、ゼミを構成する学生たちが自主的に決め、進めてもらう。教員はゼミの学生たちを研究と人生の同志と考え、ゼミ員と共に学ぶという姿勢でいたい。

<ゼミで主に何をするか>

 浅野ゼミでは、卒論を書くための個人研究とともに、ゼミで一つのテーマを決めて2年間いっぱいを使って共同研究を行う。最初の数回のゼミで、学生たちが話し合って自由にテーマを決める。
卒論も同じだが、浅野の専門分野から離れても全くかまわない。日本マス・コミュニケーション学界で認められている分野であれば、テーマは何でもよい。
 浅野ゼミは1994年4月にスタートし、みなさんがメンバーになれば16期生となる。これまでに15期ゼミがあるが、その時々の国際関係、ジャーナリズムのあり方を考える共同研究が多い。先輩たちが取り組んだテーマには、「大震災と報道」「日米犯罪報道比較」「在日朝鮮人とメディア」「少年犯罪とメディア」「雪印事件と報道」「メディア規制法」「イラク戦争とメディア」「海外から見た日本のメディア」「JR尼崎脱線事故とメディア」「人権と報道 秋田事件と外国人犯罪を事例に」「表現の自由と法規制」「裁判員裁判と犯罪報道」などがある。
 現場で多様な人々に会って話を聞き、自分の目で観察し、それを様々な方法で伝えることに関心のある学生が望ましい。
 共同研究の成果は、浅野ゼミが毎年発行するゼミ誌『DECENCY』(既に13号発行)に掲載するほか、一般書籍として、『激論・新聞に未来はあるのか』『ナヌムの家を訪ねて』『イラク日本人拘束事件と「自己責任」報道』(いずれも現代人文社)を出版した。
 個人研究はゼミ員それぞれの進路も考慮しながらすすめてもらう。学生生活の集大成として立派な卒業論文を書いてほしい。内外のジャーナリスト、法律家、NGO活動家などをゲストに招くほか、ゼミでさまざまな話題で自由討論も行う。
将来、報道ジャーナリスト、映像・文筆関係など「表現者」の仕事を目指す人や、国際的な機関で働く希望のある学生にはゼミ以外の時間にも指導できる。ゼミ学生を中心とする「記者を目指す人のための作文講座」(DSJ)でも私が指導する。
学生にはゼミ以外の時間にも指導する。フリージャーナリスト、外国人記者、などメディア現場との交流も行う。 同志社で、school of journalismの新しい伝統をつくりたい。
 ゼミの2年間の調査研究は「DECENCY」に結実される。今年3月に14期生が14号を出版する。特集は「メディア責任制度・浅野ゼミ試案」である。

<07・08年度卒業論文の主な題名>

 07年度は「原爆報道の変遷」「死刑とマスコミ報道」「被写体の人権と写真報道~伊藤一長・長崎市長銃撃事件を中心に~」「刑事司法の歴史にみる、事件記者に必要な人権思想とは」「沖縄に対する日本国民・マスコミの構造的暴力を検証する」「死刑廃止の流れに逆行する日本の死刑制度とメディア」「教育ジャーナリズムの機能と意義~1920-1930年代の生活綴方教育運動を中心に~」「中国のエイズ事情とそれを報道するメディア」「9.17(日朝首脳会談)から発生した在日への嫌がらせから何を学ぶべきか」「戦地で起きた拉致事件に関する韓日新聞報道の分析」「GPS内蔵携帯と子ども」「北海道警裏金報道の検証」「地域社会におけるコミュニティFMとは~災害時に果たす役割という視点から~」
08年度は「日米地位協定廃止へ ~沖縄少女暴行事件を取り上げて~」「女性週刊誌を通して見る皇室とマスメディア ~なぜメディアは雅子妃をバッシングするのか~」「9.11とハリウッド映画」「首相の靖国神社参拝問題とメディア ~ポスト小泉・消える靖国問題~」「報道されないJR福知山線事故の刑事責任 ~事故報道はどうあるべきか~」「沖縄強かん事件から見る性犯罪報道のあり方 ~二次加害 傷つけられた女性たち~」「二十一世紀の言論統制」「マスメディアの抱える自己矛盾について ~公害報道を行う環境破壊企業~」「プロ野球中継はどこへ行くのか ~巨人戦の視聴率からプロ野球の今後を考える~」

〈今後のイベント予定〉

*河野義行さん講演会
松本サリン事件の被害者、河野義行さんが7月1日、学際科目「マスメディアの現場」(春学期)でゲスト講義。松本サリン事件から15年の節目。2009年7月1日(水)午前10時45分から12時15分。同志社大学今出川校地、明徳館21番教室(M21)

*DAYS JAPAN編集長の広河隆一さん講演と写真展
広河隆一さん・スライド上映&講演会。講演会は2009年10月28日(水)午後6時半~、寒梅館ハーディホール。寒梅館フォトギャラリーで10月17日(土)~31日(土)写真展。
「DAYS JAPAN」5周年記念企画。学生たちが主催予定。

〈3・4回生ゼミ委員からのメッセージ〉

☆4回生ゼミ山田遼平 E-mail:bsf3100@mail2.doshisha.ac.jp

 こんにちは、浅野ゼミ14期生の山田遼平と申します。3年生から4年生にかけて、浅野ゼミで行うことは、大きく分けて「共同研究」と「卒業論文」の2つになります。
 共同研究ではゼミとして一つのテーマを取り上げ、2年間かけて研究を進めていきます。私たちが現在取り上げているテーマは「マスメディアにおける自主規制と法規制」です。マスメディア(浅野ゼミで中心的に取り上げるのは新聞報道)は、現在までに様々な形で市民の人権を侵害してきました。
 そのようなマスメディアに対し、政府は権力による介入の動きを再三にわたって見せています。しかし、憲法21条にある「言論の自由」の観点から、言論への政治権力の介入は避けなければなりません。私たち浅野ゼミでは、権力の言論への介入に抵抗する手段として、マスメディアが自主的に作り上げた自主規制機関が必要であるという意見に一致し、「日本版メディア責任制度案」を作りました。研究結果については、昨年6月にマス・コミュニケーション学会でも発表しており、今春には冊子にまとめる予定です。また、来る1月19日には立教大学での討論を予定しており、他大学との交流も盛んになりつつあります。
 卒業論文のテーマを一見しておわかりいただけるように、卒論テーマは個人の裁量で決められており、学会の定めるテーマと合致するものであれば、どのようなテーマでも構いません。各個人が問題意識をもったテーマについて自由に調査を進めていきます。
 最後に、この2年間、浅野ゼミでの活動を通して私が感じていることは「普通に学生生活を送っているだけでは決して会うことのなかった人たちと会い、成長できた」ことです。浅野先生はもちろん、個性的なゼミ員、院生の方々、多くの記者や研究者の方々にお会いし、交流を持ったことはいずれ大きな財産となることでしょう。これもひとえに浅野先生の広い人脈があってこそですが、やはり一番大切なのは皆さん自身の「学ぼう」という積極的な姿勢だと思います。旺盛な好奇心に応える土壌が浅野ゼミにはあります。浅野ゼミに入られる皆さんが、大きな学問的成果を残されることを期待しています。

☆3回生ゼミ・佐伯俊太郎 E-mail:s-loose@hotmail.co.jp

 3回生ゼミは、「裁判員制度と報道」というテーマで、今年5月に始まる裁判員制度を契機に、報道がどう変わっていくかを研究しています。裁判員制度は私たち市民に、司法に参加するという大きな変化をもたらします。これまで報道で見ていた事件や事故に直接かかわるようになります。報道にも変化が必要です。
私たちは制度開始を前にした動きを、現実的に捉える姿勢を大切にすることを心がけ、新聞記事調査、沖縄、韓国合宿、報道界、法曹界の様々な方へのインタビューを行ってきました。浅野先生は報道界をはじめ広い人脈があり、学生生活ではなかなか出会えない方に直接お会いして、貴重な話もたくさん聞けました。
浅野ゼミの活動はとても濃密です。ここには書ききれないこともたくさんあります。やったことのないことをしたい、いろんな人に会いたい、普段いけないところへ行ってみたいなど、残りの学生生活で様々な経験をしたい方はぜひ浅野ゼミへ!
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浅野ゼミに関する問い合わせはメール(asanokenichi@nifty.com)、ファクス(075-251-3066 学部共用)で。浅野ゼミHPにはこれまでのゼミ活動も載っています。
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 浅野ゼミを履修しない人も、私のクラス「新聞学原論Ⅰ」「新聞学原論Ⅱ」をぜひとって、ジャーナリズムの勉強をしてください。以下の科目も履修を薦めます。
○△ 水曜2限 京田辺校地 プロジェクト科目「夜間中学を社会に向けて発信しよう。夜間中学を知っていますか?」(科目担当者・次田哲治、科目代表者・浅野健一)
○ 木曜3限 「国際コミュニケーション論」(ブライアン・コバート)
△ 木曜5限(予定) 「比較メディア論」(ブライアン・コバート)
○  「外国書購読(英語)Ⅰ」(森類臣)
△  「外国書購読(英語)Ⅱ」(森類臣)            (以上)
掲載日:2009年1月25日
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