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公開シンポジウム


「被害者と加害者の出会い」と裁判員

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 犯罪被害者の救済や死刑制度が社会問題になっている現在、犯罪被害者のための救済支援および確定死刑囚との面会の自由を主張し、講演活動を行っている原田正治さんをお招きし、下記のとおり、浅野ゼミ公開シンポジウム《「被害者と加害者の出会い」と裁判員》を開催いたします。(※事前申し込み不要・無料)

日時:2009年6月18日(木)午後6時半~9時
場所:〒602-8580 京都市上京区今出川通り烏丸東入 
   同志社大学今出川校地・新町校舎 臨光館302号室(R302)

交通案内:京都市営地下鉄烏丸線今出川駅下車徒歩10分
今出川校地へのアクセス:http://www.doshisha.ac.jp/access/ima_access.htmll
会場の地図:http://www.doshisha.ac.jp/access/ima_campus.html
基調講演:原田正治(「Ocean-被害者と加害者の出会いを考える会」代表
パネリスト(敬称略):原田正治、藤岡淳子、トシ・カザマ、浅野健一
コーディネーター:松下桜子(浅野ゼミ2回生)


問い合わせ:同志社大学社会学部メディア学科浅野健一ゼミ 
〒602-0047 京都市上京区今出川通新町上ル 同志社大学社会学部 
電話:075-251-3457(浅野研究室)、ファクス:075-251-3066(学部共用)


 原田さんは実弟を保険金目当てで殺害され、加害者には死刑判決が下されました。しかし、原田さんの心の中には「死刑とはいったい何だろう」という疑念が渦巻き始めます。「罪を背負い、生き続けることこそが真の意味での罰であり、弟への償いであり、被害者遺族である自分が望んでいることではないのか」。

 原田さんはついに被害者遺族として異例の面会に臨みます。以後、彼の死刑停止および面会継続を求める活動を開始するものの、その声は聞き入れられることなく、「被害者感情」の名の下に死刑が執行されました。

 原田さんは2007年6月、「Ocean-被害者と加害者との出会いを考える会」を発足させました。「残念ながら私たちの社会は痛ましい事件が絶えません。事件の数だけ被害者と加害者がいます。同会は、被害者側の真の要望、真の 救済を思い。この社会で 被害者遺族が本当に癒されるため に、加害者はどのような償いをするのが望ましいのか、などの問題 について、専門家の意見を聞きながら、意見交換や講演会の開催などを行なっています」(OceanのHP:http://www.ocean-ocean.jp/

 5月21日にスタートした裁判員制度で、市民が司法に参加します。
 今回のシンポでは、原田さんの講演に続いて、藤岡淳子・大阪大学教授、米国在住の犯罪被害者のトシ・カザマさん、浅野健一同志社大学教授によるパネル討論を行い、人が人を殺める、そして人が人を罰すことの意味とは何か、被害者遺族の本当の意味での救済とは何かについて皆で考えます。

参加費は無料。多くの方々の参加をお願いします。

=================== パ ネ リ ス ト 紹 介 ====================

原田正治さん(はらだ・まさはる)さん
 1947年、愛知県で生まれる。1983年5月に弟が事故死、ところが1年後の84年5月、弟は事故死ではなく勤めていた会社の社長に事故死を装って保険金目的で殺されたことを警察に知らされる。「半田保険金殺人事件」の被害者遺族としての怒りの日々が続くが、事件後10年目、加害者である長谷川敏彦死刑囚と、被害者遺族として異例の面会に臨む。長谷川死刑囚と初めて会ったのは94年4月、95年8月までに3度面会するが、それ以降名古屋拘置所は面会を拒否、長谷川さんは2001年12月27日に死刑を執行された。許したわけではない、しかし加害者を一方的に恨むのではなく、会って話し合うことが大事であること、被害者救済・支援の必要性、死刑の現実を多くの人に知って欲しいと、講演を続けている。著書に『弟を殺した彼と、僕。』(ポプラ社、2004年8月6日第一刷発行)。この事件を扱ったものとして「その日はいつなのか―死刑囚長谷川敏彦の叫び」大塚公子著(角川文庫)。

藤岡淳子(ふじおか・じゅんこ)さん
 大阪大学人間科学部教授。1979年上智大学文学部卒業。1981年上智大学大学院博士前期課程修了。1988年南イリノイ大学大学院修士課程修了。府中刑務所首席矯正処遇官、宇都宮少年鑑別所首席専門官、多摩少年院教育調査官を経て、2002年より現職。博士(人間科学)、臨床心理士。

主な編著書
『非行少年の加害と被害―非行心理臨床の現場から』 (誠信書房 2001)
『包括システムによるロールシャッハ臨床―エクスナーの実践的応用』 (誠信書房2004)
『性暴力の理解と治療教育』 (誠信書房2006)
『被害者-加害者調停ハンドブック』 (誠信書房2007) 監訳
『犯罪・非行の心理学』 (有斐閣2007) 編著
『関係性における暴力』 (岩崎学術出版2008) 編著 

トシ・カザマさん
 15歳で渡米、滞米生活35年、ニューヨーク在住のカメラマン。 米国の少年死刑囚や台湾の死刑囚を撮影してきた経験をもとに、米国・日本.台湾・ 中国をはじめ世界各地で講演活動を続けている。「 人権のための殺人被害者遺族の会」(Murder Victims' Families for Human Rights: MVFHR、米国)理事、「Ocean-被害者と加害者の出会い を考える会」(日本)運営委員。

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半田保険金殺害事件の経過:

1984/05/02 犯行発覚・長谷川敏彦さん逮捕
07/02 初公判
09/25 名古屋拘置所へ
1986/03/26 一審死刑判決・杉田寛裁判長
1993/08/09 長谷川さん(未決)と名古屋拘置所で初めて面会
09/-- 長谷川さん支援会発行の「コスモス通信」(50号まで発行)創刊
10/23 死刑確定
12/05 「フォーラム90」の集会で被害者として話をする
1994/01/22 同フォーラム・シンポで講演
04/19 長谷川さんと面会
04/22 塚田牧師のイースター聖餐式 パンとブドウ酒
06/19 長谷川さんのところへ、蔦子母、知子、母、姉。(雨)
07/22 長谷川さんの息子の死
08/08 長谷川さんと面会
11995/08/03 長谷川さん獄中受洗
08/15 長谷川さんと面会
08/16 拘置所処遇部門の統括が「今後長谷川さんとの面会は許可しない」と通告
11995/01/-- 長谷川さんと最後の面会
12/21 木村修治さんの処刑
1996/04/26 長谷川さんが新聞記事の誤報で朝日新聞を相手に起こした賠償請求訴訟、朝日新聞社に事実上の敗訴
2001/12/27 長谷川さん死刑執行

主催:同志社大学社会学部浅野健一研究室
〒602-8580 京都市上京区新町今出川上ル 同志社大学社会学部・渓水館401号
電話:075-251-3457 | ファクス:075-251-3066(学部共用)
掲載日:2009年6月9日
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