Asano Seminar:Doshisha University
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浅野ゼミ16期生を考えてください


2010年度の3年生のゼミの登録説明会が4月3日午後4時から開かれます。
以下は、昨年12月22日に行われたゼミ説明会で配布した資料です。
ジャーナリズムを学びたい学生、国際的に活躍したい人はぜひ浅野ゼミに来てください。


2010年度3回生ゼミ説明会 浅野健一ゼミ 資料 09年12月22日、Z20
研究室 KS401 電話 075-251-3457 ファクス 3066(学部共用)
E-mail:asanokenichi@nifty.com


<初心に戻り、確かな将来を見据えよう>

 10年3月に3回生となるみなさんに、「メディア学科に入学したときの初心に戻ろう」と呼び掛けたい。
 米国の新自由主義(市場原理主義)・覇権主義が地球規模で崩壊する中、市民的自由と人民統治(デモクラシー)を実現するための全面的な変革の時代です。日米で政権交代があり、これまで不問にされてきた日米軍事同盟、市場原理主義、死刑制度、記者クラブ制度、実名報道主義が揺らいでいます。
 09年1月に浅野ゼミ主催のシンポで講演した西山太吉氏(元毎日新聞記者)は12月12日の第25回人権と報道を考えるシンポジウム「官僚・メディアと新政権―記者クラブ廃止に向けて―」で次のように述べました。
 「日本のメディアは、過去の出来上がったものを前提にその後の報道をしていく。その既成事実によって現実が凄まじく衰頽し、問題が起っていることを問わない。今の辺野古問題もそうです。米軍再編がどのような背景で、どうして起こったのか、それが日本にとってどのような意味があるのか。ラムズフェルド・守屋での合意に縛られる必要性はない。そのことを何も取り上げないで、辺野古がどうだこうだ、これがなければ日米関係は崩壊するという論理だけで毎日報道されている。何も真実を報道していないのですよ」
 沖縄密約の情報開示を求めて闘う西山氏は市民の関心と現場記者の奮起を呼びかけました。「民主党政権は情報公開が生命線。自民党政権下で確立した記者クラブ制度を打破する初めてのチャンスだ」と。
 ジャーナリズムの役割がますます重要になってきました。こういう時代に、本格的にジャーナリズム論を学びたい人、大学院進学を考えている人、フリーランスも含めて報道機関での仕事を目指す人、国際的な活躍を希望する学生は、ぜひ浅野ゼミを考えてください。
 浅野ゼミOBGはメディア関係就職の輝かしい実績を持っています。良識ある報道機関は、学生がどういう識見を持っているか、文章を書く力があるか、「この人と一緒に仕事をしたいかどうか」などで判断する。大学時代にしっかり学問し、世界を知ることです。
 学部、大学院の浅野ゼミは縦のつながりが深いことも特徴です。2年間、楽しい仲間と過ごせるゼミにしたいと思っています。
 学部教育を充実させるための文部科学省の「教育GP」を活用して、東京の大学(立教、早稲田など)ゼミと討論会を開催しています。
 浅野ゼミは、学生たちで執行部をつくり、学生が自主的に運営するゼミナールです。
 3・4年生のゼミは学生生活にとって重要です。浅野ゼミのことをよく知って、判断してください。


<指導教員の専門分野と教育歴>

 私は日本を代表する報道機関の一つである社団法人、共同通信社で22年間にわたり、現場記者、特派員と外信デスクを務めた後、15年半前に本学に来た。人権と報道、東アジアを中心とする国際関係論、ネット・ジャーナリズムなどの分野で調査研究しています。
 教員になってからも、インディペンデント・ジャ-ナリスト(フリーランス)として新聞、雑誌、単行本などで取材、表現活動を続けている。サッカーW杯などスポーツと文化の取材も行い、朝鮮での撮影映像はNHK、朝日放送でオンエアされました。
 浅野ゼミは様々なシンポや写真展を企画しています。
 大学へ移って間もなく16年。この間、ゼミ合宿を沖縄、高知、広島、北海道、ソウル、マニラ、ビルマ、NYなどで開きました。ゼミには留学生も多く、国際的です。09年3月末、博士課程後期を満期退学した韓国人留学生の李其珍(リ・キジン)さん=韓国のサンミョン(祥明)大学講師=が3月に博士論文を取得する見込み。浅野ゼミでは河崎准教授(浅野ゼミ2期生)、中国人留学生、韓景芳さん(上海の華東政法大学新聞学専攻准教授)に次いで3人目の博士です。李さんの同期、森類臣(ともおみ)さんは09年4月から社会学部嘱託講師。
 浅野ゼミ13期生から4人新聞記者になった。14期生からも新聞記者、テレビ制作ディレクターになりました。15期生からも通信社、放送局、大手制作会社(2人)に内定。
 最近の浅野ゼミには、新聞、テレビ、雑誌などの報道・制作関係の仕事を目指す学生たちが多いのは心強い。学部1年生から院生までのゼミメンバーの活躍ぶりはゼミのHPをご覧ください。浅野ゼミHP index.html


<どんな学生に入ってほしいか>

 活字を読んでほしい。また、英語を完全にマスターしてもらいたい。
 浅野ゼミを出た学生たちのほとんどは、自分たちの力で、メディア関係をはじめ、さまざまな分野で生き生きとして活躍している。17期生も「自治、自律、自立」の精神を持って将来を考えてほしい。
 教育とは英語でeducateという。eはoutで、ductはbringという意味。学生の持っている才能、可能性を引き出すお手伝いをすることです。ゼミで何をするかは、ゼミを構成する学生たちが自主的に決め、進めてもらう。教員はゼミの学生たちを研究と人生の同志と考え、ゼミ員と共に学ぶという姿勢でいたい。


<ゼミで主に何をするか>

 浅野ゼミでは、卒論を書くための個人研究とともに、ゼミで一つのテーマを決めて2年間いっぱいを使って共同研究を行う。最初の数回のゼミで、学生たちが話し合って自由にテーマを決める。
 卒論も同じだが、浅野の専門分野から離れても全くかまわない。日本マス・コミュニケーション学界で認められている分野であれば、テーマは何でもよい。
 浅野ゼミは1994年4月にスタートし、みなさんがメンバーになれば17期生となる。これまでに15期ゼミがありますが、その時々の国際関係、ジャーナリズムのあり方を考える共同研究が多い。先輩たちが取り組んだテーマには、「大震災と報道」「日米犯罪報道比較」「在日朝鮮人とメディア」「少年犯罪とメディア」「雪印事件と報道」「メディア規制法」「イラク戦争とメディア」「海外から見た日本のメディア」「JR尼崎脱線事故とメディア」「人権と報道 秋田事件と外国人犯罪を事例に」「表現の自由と法規制」「裁判員裁判と犯罪報道」「北東アジアの平和とメディア」など。
 現場で多様な人々に会って話を聞き、自分の目で観察し、それを様々な方法で伝えることに関心のある学生に来てほしい。
 共同研究の成果は、浅野ゼミが毎年発行するゼミ誌『DECENCY』(既に14号発行)に掲載するほか、一般書籍として、『激論・新聞に未来はあるのか』『ナヌムの家を訪ねて』『イラク日本人拘束事件と「自己責任」報道』(いずれも現代人文社)『英雄から爆弾犯にされて』(三一書房)を出版してきました。
 個人研究はゼミ員それぞれの進路も考慮しながらすすめてもらう。学生生活の集大成として立派な卒業論文を書いてほしい。内外のジャーナリスト、法律家、NGO活動家などをゲストに招くほか、ゼミでさまざまな話題で自由討論も行う。
 将来、報道ジャーナリスト、映像・文筆関係など「表現者」の仕事を目指す人や、国際的な機関で働く希望のある学生にはゼミ以外の時間にも指導できる。ゼミ学生を中心とする「記者を目指す人のための作文講座」(DSJ)でも私が顧問として指導します。
 フリージャーナリスト、外国人記者、などメディア現場との交流も行う。 同志社で、school of journalismの新しい伝統をつくりたい。
 ゼミの2年間の調査研究は「DECENCY」に結実されます。今年3月19日に15期生が15号を出版。特集は「裁判員裁判とメディア」です。


<07・08・09年度卒業論文の主な題名>

 07年度は「原爆報道の変遷」「死刑とマスコミ」「被写体の人権と写真報道~長崎市長銃撃事件を中心に~」「事件記者に必要な人権思想とは」「沖縄に対する日本国民・マスコミの構造的暴力」「日本の死刑制度とメディア」「教育ジャーナリズムの機能と意義~1920年代の生活綴方教育運動を中心に~」「中国のエイズ事情と報道」「9.17日朝首脳会談から発生した在日への嫌がらせとメディア」「GPS内蔵携帯と子ども」「北海道警裏金報道の検証」「地域社会におけるコミュニティFMとは~災害時に果たす役割の視点から~」
 08年度は「日米地位協定と沖縄少女暴行事件」「9.11とハリウッド映画」「首相の靖国神社参拝とメディア 」「報道されないJR福知山線事故の刑事責任」「沖縄強かん事件から見る性犯罪報道のあり方」「二十一世紀の言論統制」「公害報道を行う環境破壊企業・マスメディア」「プロ野球中継はどこへ行くのか ~巨人戦の視聴率とプロ野球の今後~」
 09年度は「『こうのとりのゆりかご』と報道」「女性記者の実態」「沖縄密約とメディア」「ドキュメンタリーの可能性」「自死と報道」「紙としての新聞の未来」「女性週刊誌を通して見る皇室とマスメディア」「大学生の逮捕とメディア」「環境問題と報道」「アジアの貧困をどう伝えるべきか」など。


〈10年度のイベント予定〉

*沖縄密約・米軍再編のメディア
 西山太吉さんと、沖縄密約を報道してきた徃住嘉文(とこすみ・よしふみ、北海道新聞)、諸永裕司さん(朝日新聞)らで、4月にシンポを予定。
*梶山天さんゲスト講義
 鹿児島志布志事件を追った単行本『「違法」捜査 志布志事件でっちあげの真実』(400ページ、定価2100円、税込み)を2月に角川学芸出版から出した。08年、朝日新聞出版から『冤罪を追え』を出版。
*足利事件・菅家利和さんの講演
 5月13日、菅家利和さんと、支援者の西巻糸子さんが講演。
*被害者遺族と死刑制度
 米国被害者遺族5人を招いて「それでも私達は死刑を望まない」をテーマに、6月29日午後、同志社大・寒梅館ハーディーホールでシンポ。日本の被害者遺族、原田正治さん。コーディネイターは風間トシさん。米国の被害者遺族の話を聞き、被害者遺族の感情の多様性と時間と共に変化する感情を知るとともに、被害者遺族への援助の改正、真の癒しを考え、被害者遺族と死刑執行との関係を話し合う。

*河野義行さん講演会(交渉中)
 松本サリン事件の被害者、河野義行さんが7月1日、学際科目「マスメディアの現場」(春学期)でゲスト講義。同志社大学今出川校地、明徳館21番教室(M21)
*その他(予定)
 甲山事件・山田悦子さん、氷見事件・柳原浩さんをはじめ冤罪被害者、中国新聞の田城明編集委員、元共同記者の青木理さんら現場で活躍するジャーナリスト、映像制作者らをお呼びする予定です。 


〈3・4回生ゼミ役員からのメッセージ〉

☆4回生ゼミ・共同研究委員長、鍜治由佳さん:
 浅野ゼミでは3年生から2年間かけて、卒論研究と共に、共同研究に取り組み、4年生の終わりには、「DECENCY」というゼミ誌を作成します。研究は骨が折れますが、ゼミ生と協力して一つのものを作り上げていく作業の中で、大きな充実感を得ることができます。また、ゼミに訪れるゲストや、定期的にある新聞社・放送局などの見学の機会から、多くのことを学べます。ジャーナリズムについて勉強したい人、いろいろな人や場所と出会いたい人、将来情報を伝える側に立ちたいと考えている人は、ぜひ浅野ゼミで学んでもらえたらと思います。
 
   ☆3回生ゼミ委員・森本佳奈さん:
 浅野ゼミの魅力は人との出会いです。講演会や合宿を通してメディア関係者に会う機会がたくさんあります。私自身、この一年を通して現場で働きジャーナリズムのあり方について真剣に考えている方々に出会えたことは自分の学びになり、刺激となりました。また、浅野ゼミでは学生が主体的に活動できます。自分たちの興味のある研究ができますし、講演会の企画もできます。困った時は先生やTAの院生、学年をこえてゼミ生が協力してくれます。学生生活の活動の幅が広がります。決して楽なゼミではありませんが、頑張ったぶん得られるものが必ずあります。ジャーナリズムに関心がある方はぜひ浅野ゼミで一緒に学びましょ。


浅野研究室はKS401、内線3457です。
浅野ゼミについて聞きたいことがある人は気楽に訪問してください。
事前にメールを送ってください。asanokenichi@nifty.com
ファクス(075-251-3066 学部共用)でもOKです。

3年生で浅野ゼミを履修しない人も、私のクラス「新聞学原論Ⅰ」「新聞学原論Ⅱ」(木3)を
ぜひとって、ジャーナリズムの勉強をしてください。以下の科目も履修を薦めます。

○△ プロジェクト科目「夜間中学を社会に向けて発信しよう。夜間中学を知っていますか?」
    (金1、科目担当者・次田哲治、科目代表者・浅野健一)
○  「国際コミュニケーション論」(ブライアン・コバート)
△  「比較メディア論」(ブライアン・コバート)
○  「外国書購読(英語)Ⅰ」(森類臣)
△  「外国書購読(英語)Ⅱ」(森類臣)



(以上)

掲載日:2010年3月17日
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