Asano Seminar:Doshisha University
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DECENCY15号完成
15期生からのお知らせ

浅野ゼミ15期生共同研究「DECENCY」15号の大きなイメージを見る  今年も浅野ゼミ15期生(10年3月卒業)の共同研究の成果として「DECENCY」15号(285頁)が完成しました。
 15期生の共同研究テーマは「裁判員制度と報道」でした。2009年5月21日に裁判員制度が始まり、同8月3日に東京地裁で初めての裁判員裁判が行われました。裁判員裁判では、法律の専門知識をほとんど持たない一般市民が裁判員となり、死刑を含む重大事件の一審裁判に参加して、事実認定や量刑判断を行います。私たちは、裁判員制度の開始にあたって、マスメディア(本研究は報道機関全般を指し、以下「メディア」とした)の事件報道はどのように対応すべきなのか研究しました。その際、私たちの先輩である14期生の研究を引用させていただきました。14期生は現在のマスメディアによる犯罪報道の在り方をどう変革すべきかを研究し、新聞労連・現代ジャーナリズム研究会が編集した『新聞報道[検証]SERIES 新聞人の良心宣言』を土台とする新聞人の良心宣言(2009年 浅野ゼミ改訂)を提案しており、その試案をもとに私たちの研究を進めました。
 研究では批判に終始せず、現場を見つめたいという思いがありました。報道現場で日々働いている記者の声を聞くことを重視し、外からの一方的なメディア批判にならないように心がけました。結果的に10名以上の記者から話を聞くことができ、研究の目的は達成できたと思います。そのインタビューも、冊子の中で掲載しておりますので、是非ご覧ください。現場の声を聞いたことによって、すぐには報道を変えられない現状を知り、悩み、ゴールが見えなくなったこともありました。しかし、記者と一緒に悩み、考えたこの2年間は決して闇の中にいたというわけではなく、現実的に物事を考え、真実により近づくことのできた時間だったと思います。結果的に私たちは先輩である14期生試案を支持し、現場の声をすべて反映できたというわけではありません。しかし、変わるべき時には大きく変わらなければならないということを強く感じました。
 09年11月から報道が過熱した埼玉、鳥取で起きた連続詐欺事件に関する報道を見ても、裁判員制度になったら、という発想を持って情報を扱っているようには見えませんでした。今、報道は大きな転換期に来ています。報道の変化を期待しつつ、学生らしい提言で結んだ研究となっております。是非多くの方に読んでいただければと考えています。
 また、私たちの活動記録もふんだんに盛り込んでおります。2008年夏に、米軍基地問題に取り組む沖縄の記者に話を聞いた沖縄合宿や、韓国メディアの現状を調査した2008年冬の韓国合宿は、インタビューを中心に紹介しています。また、ゼミにお招きした報道被害者の山田悦子さんや、Ocean-被害者と加害者の出会いを考える会代表の原田正治さんのお話にも多くのページを飾っていただきました。さらに、DAYSJAPAN編集長の広河隆一さんをお招きしたシンポジウムの記録も含まれており、大変充実した内容となっております。

 また、恒例の浅野教授の「回顧2009」、「浅野教授の文春裁判を支援する会」報告もあります。


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ご購入希望の方は、お名前、郵便番号(7ケタ)、住所、電話番号、冊数を下記のいずれかの連絡方法でお申し込み下さい。

 ・E-mail  ・郵便(書簡)での申し込み  ・FAX

  〒602-8580
  京都市上京区今出川通烏丸東入同志社大学社会学部メディア学科 浅野健一研究室

浅野健一研究室の所在地と連絡先:
  〒602-0047 京都市上京区新町通今出川上ル 同志社大学渓水館401号室
  TEL:(075)251-3457 / FAX:(075)251-3066(共用) / E-mail:asanokenichi@nifty.com 

『DECENCY Vol.15』(B5版)
  費用:一冊1000円(実費、郵送料込み)  
  2冊以上のご購入による郵送料に関しては個別に連絡させていただきます。

お支払い方法
 
  ・銀行振替
   みずほ銀行出町支店(店番号587)   口座番号 1782167
       メディア学科専攻浅野ゼミ 代表・浅野健一
  ・現金書留(手数料は自己負担でお願いいたします)
  ・切手(1000円分)



『DECENCY Vol.15』の目次は以下のとおりです。

第1部 共同研究「裁判員裁判と報道」

はじめに
 第1章 裁判員制度の施行まで
  第1節 司法制度改革について
  第2節 これまでの事件報道とは
  第3節 規制論議とマスメディアの反応
  第4節 各社指針発表への経緯と各社に見られる違い
  第5節 14期生提言について

 第2章 新聞記事調査からみる変化
  第1節 裁判員制度施行前の事件記事調査
  第2節 裁判員制度施行後の事件記事調査
  第3節 新聞記事調査に関する結論

 第3章 報道機関と記者への聞き取り調査からみる変化
  第1節 各社の裁判員制度への取り組み方
  (1)各社報道指針
  (2)各社アンケート回答(NHK、共同、毎日)
  (3)各社指針、アンケートのまとめ

  第2節 個人記者の裁判員制度への取り組み方
  (1)個人インタビューと書面アンケート結果のまとめ
  (2)対面インタビュー
   ・全国紙A社(記者1、記者2)
   ・全国紙B社(記者1)
   ・全国紙C社(記者1)
   ・全国紙D社(記者1、記者2)
   ・全国紙E社(記者1)
   ・地方紙F社(記者1)
   ・地方紙G社(記者1)
  (3)書面インタビュー
   ・浅倉拓也記者
   ・山本那晴記者
   ・地方紙I社(記者1)
   ・地方紙J社(記者1)
   ・地方紙K社(記者1)

  第3節 報道機関と記者個人の意識の差

 第4章 犯罪報道はどうあるべきか
  第1節14期生試案の運用の実現性
  第2節 試案に基づいた記事作成

まとめ(結論)
おわりに

第2部 浅野ゼミ15期生活動記録
・活動記録一覧
2008年度
・沖縄合宿
・元警察官 仙波敏郎さん、東玲治さん ゲスト講義
・韓国合宿
2009年度
・北海道新聞 高田昌幸さん・中原洋之輔さん
・1~4回生合同合宿
   朝日放送 報道局長 藤岡幸男さんゲスト講義
・松本サリン事件被害者 河野義行さんゲスト講義
・卒業論文中間発表合宿
・東海テレビ 報道スポーツ局専門部長 阿武野勝彦さん ゲスト講義
・DAYSJAPAN編集長、写真家広河隆一さん シンポジウム
・報道被害者 イスラム・M・ヒムさんゲスト講義
・報道被害者 山田悦子さんインタビュー、講演記録
・Ocean-被害者と加害者の出会いを考える会 
   代表原田正治さんインタビュー、講演記録

第3部 浅野健一教授・文春裁判支援会から
 第1章 回顧2009
 第2章 浅野教授の文春裁判・報告

第4部 浅野ゼミ各学年活動報告
 第1章 3回生
 第2章 2回生
 第3章 1回生

第5部 裁判員裁判開始後の報道分析
 第1章 裁判員裁判の記者会見報道における裁判員の扱い
 第2章 裁判員裁判後の記者会見に関する報道件数の推移

第6部 卒論要旨・一言集
 第1章 浅野ゼミOB・OG寄稿
 第2章 卒業論文要旨
 第3章 ゼミ生から一言
 第4章 浅野ゼミOB・OG・現役生名簿

編集後記

14期生試案を運用した記事作成

(以上)

掲載日:2010年4月1日
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