Asano Seminar:Doshisha University
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米国・犯罪報道被害者遺族から学ぶ

日米の犯罪被害者遺族と死刑

講演案内をダウンロード(PDF)

日時:2010年6月29日(火)正午~午後8時
場所:同志社大学今出川校地
    寒梅館ハーディーホール
―事前連絡不要・無料―
交通案内:京都市営地下鉄「今出川」駅北
今出川校地へのアクセス:http://www.doshisha.ac.jp/access/ima_access.htmll
会場の地図:http://www.doshisha.ac.jp/access/ima_campus.html
 愛する肉親を失った「米国・人権のための殺人事件被害者遺族の会」の人々は、どのようにいのちと向き合い生きてきたのか。その置かれた実情や多様な心情、時間とともに変わるもの、変わらないものは何か。

 シンポジウムの第1部は、犯罪被害者で米国在住カメラマンの風間トシ氏による、台湾の死刑制度についての講演、第2部は、アメリカに本部を置く「人権のための殺人被害者遺族の会(Murder Victims' Families for Human Rights=MVFHR=)」訪日メンバーによる連続講演を行います。
 そして第3部では、ドキュメンタリー番組「罪と罰」を上映し、東海テレビ報道局報道部ディレクターの斉藤潤一氏と、免田事件の冤罪被害者である免田栄氏、また、犯罪被害者のための救済支援および確定死刑囚との面会の自由を主張し、講演活動を精力的に行っている原田正治さんをお迎えして、番組に関する発言や討論を行っていただきます。

 被害者遺族の感情の多様性と時間とともに変化する感情を知るとともに、被害者遺族への援助の改正、真の癒しを考え、被害者遺族と死刑執行の関係を話し合う機会と致します。

第Ⅰ部 正午~ 
 風間トシさん(米在住カメラマン)
 講演「台湾の死刑制度」(スライド上映)

第Ⅱ部 午後2時~
 「米被害者遺族の会」会員5名の報告

第Ⅲ部 午後5時15分~
 東海テレビ番組「罪と罰」上映&討論
 斎藤潤一・同局ディレクター
 免田栄さん(元死刑囚、免田事件冤罪被害者)

東海テレビ・ドキュメンタリー番組「罪と罰」
犯罪被害者の遺族と死刑について取り上げた番組。3人の被害者遺族をドキュメントしている。娘を奪われた母、弟を失った兄、息子を殺された父。3人の被害者遺族の気持ちは、全く同じものではない。それぞれの想いに迫った番組である。
スピーカー・パネリスト(敬称略)=========================================
〔「米被害者遺族の会」来日メンバー〕


◆ ジーン・ビショップ:
妹とその夫を殺害される。妹は殺害当時妊娠しており、お腹の胎児も殺される。ノースウェスタン大学教授、公設弁護人。




◆ レニー・クッシング:
ニューハンプシャー州議会下院議員。父親を殺人で失う。「人権のための殺人被害者遺族の会」事務局長。



◆ ロバート・カーリー:
10歳の息子を誘拐・性的虐待のうえ殺される。事件を機に死刑廃止州のマサチューセッツ州では死刑復活の動きが起こり、自身も死刑復活を求めて活動。しかし、後に考えを変え、死刑復活に反対の立場で証言するに至り、同州は死刑廃止を維持した。



◆ バド・ウェルチ:
娘を連邦政府ビル爆破事件で殺される。犯人の父親と妹に会い、被害者遺族と加害者家族とが出会う事の大切さを感じる。



◆ ロバート・ミーロポール:
6 歳のとき、両親(ローゼンバーグ夫妻)をスパイ容疑の疑いで処刑される。その後,孤児の為の基金の会「ローゼンバーグ基金」を設立。両親はえん罪の可能性が高いといわれる。弁護士。


◇ ◇ ◇



◆トシ風間(在米写真家)/コーディネーター:
15歳で渡米。1996年から少年死刑囚の撮影を開始。以降、米国・台湾の少年死刑囚を撮影してきた経験をもとに、米国・日本・中国・台湾など各地で公演活動を行う。「人権のための殺人被害者遺族の会」理事、「Ocean・被害者と加害者の出会いを考える会」(日本)運営委員。


◆免田栄(免田事件元死刑囚):
免田事件は死刑囚の再審無罪が初めて認められた冤罪事件。1948年末、熊本県人吉市で祈祷(きとう)師一家4人が殺傷される事件が起こり、別件で逮捕された同県免田町(現・あさぎり町)の免田栄さんが取り調べで犯行を「自白」。公判ではアリバイを主張して否認したが、51年に最高裁で死刑が確定。第6次再審請求で再審が決定し、83年に無罪判決が言い渡された。

◆斉藤潤一:
東海テレビ報道局報道部ディレクター。ドキュメンタリー番組「罪と罰」の製作に携わる。「罪と罰」は犯罪被害者の遺族と死刑について取り上げた番組。3人の被害者遺族をドキュメントしている。娘を奪われた母、弟を失った兄、息子を殺された父。3人の被害者遺族の気持ちは、全く同じものではない。それぞれの想いに迫った番組である。

◆原田正治: 1947年、愛知県で生まれる。1983年5月に弟が事故死、ところが1年後の84年5月、弟は事故死ではなく勤めていた会社の社長に事故死を装って保険金目的で殺されたことを警察に知らされる。(「半田保険金殺人事件」)被害者遺族としての怒りの日々が続くが、事件後10年目、加害者である長谷川敏彦死刑囚と、被害者遺族として異例の面会に臨む。長谷川死刑囚と初めて会ったのは94年4月、95年8月までに3度面会するが、それ以降名古屋拘置所は面会を拒否、長谷川さんは2001年12月27日に死刑を執行された。許したわけではない、しかし加害者を一方的に恨むのではなく、会って話し合うことが大事であること、被害者救済・支援の必要性、死刑の現実を多くの人に知って欲しいと、講演を続けている。著書に『弟を殺した彼と、僕。』(ポプラ社、2004年8月6日第一刷発行)。この事件を扱ったものとして「その日はいつなのか―死刑囚長谷川敏彦の叫び」大塚公子著(角川文庫)。

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主催:6.29MVFHRシンポジウム実行委員会
連絡先:同志社大学社会学部メディア学科・浅野健一研究室
     電話 075-251-3457 ファクス 251-3066(供用)

掲載日:2010年6月21日
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